まずは自己紹介。
改めましてこんにちは、私は現在6歳の二卵性双子姉妹の母「jumelle(ジュメル)」と申します。ダンナはスイス人です。スイスといってもフランス語圏出身ですので、家では日本語とフランス語をしゃべります。現在はスイスに住んでいますが、双子を妊娠・出産したのは関西のとある街でした。これから数回に渡って自分の体験談と共に双子の妊娠・出産について書いていこうと思います。
妊娠発覚
それはまだ寒い最中の1月末のことでした。朝起きるとなにやら首の辺りを絞められているような気分になり、とても気持ち悪くなりました。乗り物酔いの症状に似ています。おかしい、ここは家の中なのに酔うはずがない。もしやと思い妊娠検査薬を使ってみると陽性!早速婦人科で診てもらうことにしました。
実は数ヶ月前から妊活をしていたので基礎体温は毎日つけており、この時は高温期が続いて予定日を過ぎても生理が来なかったため、検査薬は買ってありました。
まさかの…
病院で再び妊娠検査をしてもらい、妊娠を確認してから内診をしました。この頃にはつわり確定、食欲がなく、常に乗り物酔い状態でした。
ぐったりしながらも確認してもらわねば、と診察を受けると、
モニタを見ながら先生が開口一番、
「あれ?ないですねぇ?」
は?
機械を設定しなおして…
「あ、あったあった。これですねー。あ、あれ?2個?3個??」
え?えぇぇぇ!!??まさかの三つ子!!??
「あ、ひとつは筋腫ですね。ということで2個あります。双子ちゃんですね。おめでとう!」
ええぇぇ…え???筋腫!!??
胎嚢が確認できて嬉しいことに変わりはありませんでしたが、まさか自分が双子を妊娠するとは思わず、その上「胎嚢が見つからない」〜「よもや三つ子」〜「さらっと筋腫も発見」の流れにすっかり喜ぶタイミングを逃し、ボーゼンとしてしまいました。
心臓がピコピコ動くのを期待してたのですが、週数が早く(4週6日)、まだ動いてなかったので1週間後に予約を取り、無事2つのピコピコが確認されました。
早速ダンナに報告。反応は…
帰り道、まさかの双子妊娠宣告に頭は大混乱。待ち望んだ妊娠に嬉しい反面、双子母なんて果たして自分に務まるの?男女どっち?本当に無事2人生まれるの?費用は?入院は?出産は自然分娩?帝王切開?これからどうなる!?など歓喜もそこそこに不安の方が大きく、頭ぐらぐら足元ふわふわしながら早速ダンナに報告しました。メールでぽちぽち、
「2個あったよ!」
ダンナからの返信には
「すごい!なんて効率的!1回で2度おいしいな」
的なことがフランス語で書かれていました。
グ○コか!
双子妊娠の種類
双子には「一卵性」と「二卵性」がある、という話は聞いた事があるかと思います。
一卵性双子は1つの受精卵が2つに分かれて育った双子なので遺伝子は同じです(指紋や静脈パターンは違うそうです)。とても良く似た外観で、母親でも見分けにくい事があります。人種によって発生率が異なり、アフリカ系が一番多く、次に欧米系、一番少ないのがアジア系になります。
二卵性双子は2つの異なる受精卵が同時に育ったもので、簡単に言うと「同時に生まれた兄弟」です。同性だけでなく、男女の組み合わせにもなります。近年不妊治療などで人種に関係なく増えてきているそうです。
そして、双子の妊娠には大まかに3種類あります。
一絨毛膜一羊膜(MMツイン)・一卵性
これは2人の赤ちゃんが2種類の膜を共有している状態のことです。子宮を一つの家とすると、その中の同じ部屋の同じベッドにいる状態です。ごく稀な妊娠状態ですが、へその緒が絡まりあったり、ぶつかったりとリスクがとても高いので、早い時期から管理入院になりやすいです。
一絨毛膜二羊膜(MDツイン)・一卵性
これは別々の「羊膜」に包まれた2人の赤ちゃんが同じ「絨毛膜」の中にいる状態です。一つの家の同じ部屋の、ベッドが分かれているようなものです。リスクはMMツインよりも少しだけ低くなりますが、胎盤を共有しているため、血流によって成長に偏りが出たりするなど、やはり高いです。
MMとMDになる違いは受精卵がどのタイミングで2つに分かれたかによるそうです。
一卵性の双子の場合、胎嚢と呼ばれる袋が一つしかないので、双子と確認されるのが少し遅れることがあります。心拍が2つ確認されると双子だと判明しますし、一人が隠れていたとしても三ヶ月目ぐらいにはエコーに映るので双子だとわかるようになります。
二絨毛膜二羊膜(DDツイン)・二卵性
これは部屋も分かれている状態です。別々の部屋にいるので胎盤も別々、双子妊娠においては一番低リスクと言われています。それでも定員1名の家に2人もいますので単胎妊娠よりもリスクがあるのに変わりはありません。
私の場合は最初の内診から2つの袋が確認できたのでこのDDツインと呼ばれるものでした。
他の2つに比べて低リスクとはいえ、無理な運動はしない、マタニティスイミングも不可、などと制限がつき、産院も妊娠・出産時のリスクをできるだけ減らすためにNICUのある総合病院を紹介され、転院しました。個人産院で振舞われると言われる豪華なお祝い膳などを夢見ていたのですが、背に腹は代えられません。運動については初期はつわりでそれどころではなく、中期以降もダラダラし忠実に守り抜きました。
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