バジルはどんな植物?
ペストに使われる植物「バジル」は別名を「バジリコ」、日本名は「メボウキ」とも呼ばれるイタリア料理の定番ハーブです。他と比べても癖が少なく、比較的使い易い素材です。
抗酸化作用とリラックスが期待できます
バジルはβカロテンやビタミンE・Cなどが含まれており栄養価が高く、また独特の香りは胃の働きを助けたり、リラックス効果があると言われています。
トマトとの相性が最高
バジルは、スライスしたトマトとモッツァレラチーズと合わせて食べるカプレーゼというサラダやピザ・トマトソースの風味付けにも使われるように、トマトとの食べ合わせが抜群に良い素材です。
さらに、栽培する時にはトマトの株と寄せ植えをして、お互いを害虫から守るコンパニオンプランツとしても知られています。
家で栽培した際、いつも周りに飛んだり茎についたりしていた小虫が、トマトの株の近くにおくだけでつかなくなったのには驚きました。
苦手だったペストを好きになったきっかけは…
ペストはトマトベースが主流のパスタソースの中で一種類だけ緑でよく目立つのですが、味がイメージしにくく、買うまでに至らない、または勇気を出して買ってもあまり美味しくなかった…なんて経験があるかもしれません。
実際私がそうでした。
そんな私が友人宅でランチをよばれた時に出されたのがペストを使ったパスタ。
その時は友人に申し訳なく思いながらも、本当に義理立てるためだけに一口だけいただこうと勇気を出して口をつけると、予想に反してとても美味しく、思いがけず完食できてしまったのがこの手作りペストだったのです。市販の某瓶詰めペストはなんだったんだと思うほどの衝撃でした。
もし市販のペストで苦手意識を持ってしまった方にもぜひ挑戦してみて欲しいのです。
ペストの作り方
材料(4人分)
- バジル:20g
- 松の実:20g
- ハードチーズ:20g
- オリーブオイル:50g
- にんにく:小一片ぐらい
- 塩:適量
分量は大体です。お好みで調節してください。松の実は炒ると香ばしさが出ますが炒らなくても大丈夫。ない時は別のナッツ類を入れてもOK。ハードチーズは塊でも粉状でも。多い方が味がしっかりします。にんにくは入れすぎると辛くなってしまいますので、小さいお子さんのいる家庭では入れなくていいと思います。
手順+保存方法
- バジルをキッチンペーパーで拭く、もしくはさっと洗って水気を切っておく。
- 材料を全てフードプロセッサーに入れてスイッチオン。
- ペースト状になったら、保存容器に入れて出来上がり。
作りたても美味しいですが、作ってから2・3日後の方が味がなじんでさらに美味しくなります。粉チーズを使う場合は後から入れて混ぜるだけでもいいです。
しっかり保存する場合は、煮沸消毒して水気を切った容器に入れ、表面にオリーブオイルをさらに加えて層を作り、中身が直接空気に触れないようにしておきます。2〜3週間を目安に使いましょう。
手作りペスト、どう使う?
シンプルにパスタとあえて
一番簡単なのはお好みのパスタを茹でて和えるだけ。そこに炒めたベーコンやエビ、一口大に切ったアボカド・ミニトマトなどを入れても。我が家ではパスタとベーコンを一緒に茹でてしまいます。お鍋も一つで済むので楽ですよ。
カプレーゼやピザにも
イタリアンサラダの定番、カプレーゼ。スライスしたトマトとモッツァレラチーズを重ねて並べ、そこにペストを垂らします。切って盛り付けるだけなのになぜか普段の食卓がさらにオシャレになってしまうマジック。その上美味しいなんて言うことなしです。
もちろんピザに加えても美味しいですよ。
鶏肉や魚に添えて
ペストに合うメイン食材は鳥や魚。それらのあっさりした味わいととても相性が良いのです。
簡単にはサンドイッチに鶏ハムやサラダと挟んで。バゲットなど食べ応えのあるパンに合わせると見た目も華やかになります。
また、少々手間はかかりますが、薄く叩いた鶏肉にスライスチーズとペストを乗せてくるくると巻き、つまようじで留めてから衣をつけて揚げる、薄く衣をつけて揚げ焼きにした鶏肉にソースとしてかけるなど、ちょっとしたおもてなし料理にも最適です。
また、魚介類とも相性はバツグン。白身魚の上にかかった鮮やかな緑のソースは食欲をそそられます。
ペスト豆知識
「ジェノベーゼ」は全くの別もの
日本では「ジェノベーゼ」として知られているこの緑色のソース、実は「ジェノベーゼ」は「ジェノバ産の」という意味で、「ペスト・ジェノベーゼ」とは「ジェノバ産のバジルを使ったペスト」という意味なんです。
「ペスト」もイタリア語で「調味料」を意味し、厳密にはバジルソースでなくても「ペスト」というそうです。ただ、バジルの緑のペストがとても有名なので「ペスト=バジルソース」といっても過言ではないそうです。
因みに英語のペーストとは全く関係ありません。
「ジェノベーゼパスタ」というと、イタリアでは「牛肉のワイン煮込みパスタ」になりますのでご注意ください。