目次
きっかけは娘の入院
今回この記事をまとめるきっかけとなったのは娘の入院です。娘は目が動かなくなる「外眼筋麻痺」と「眼瞼下垂」の症状があらわれ検査が必要となりました。はじめにかかりつけ医に行き、脳の病気を疑って検査ができる地域の総合病院を紹介され、脳の検査では異常が認められなかったため眼科での受診をすすめられました。
たまたま総合病院には眼科がなかったので、そのまま地域の眼科を受診。そこでは原因がつかめないということで、急きょ離れた場所にある大学病院を紹介され、そこで検査入院をするという少々複雑な経緯をたどっています。
その間に私の気持ちは上昇下降を繰り返し、少々の知識も身につきました。ここでははじめての子供の入院で、なにもわからなかった私の経験と調べたことをもとに、入院についての「知っているといいな」と思えることをお伝えしていきます。
▼ママたちの体験をまとめた座談会記事はこちら
※記事中、座談会で語られたママたちの体験と関連する項目にリンクを張っている箇所があります。そこからでも座談会記事に移動することができます。
1.緊急入院と予定入院の違いを知ろう
一般的な入院には外来で診察を受け、そのまま当日入院となる「緊急入院」と、あらかじめ入院する日にちを決めて行う「予定入院」があります。予定入院には、治療を目的とした入院のほか、診断をつけるために検査を行う入院も含まれます。
医師から「原因を調べるために入院をする必要がある」といわれると、「何も準備をしていない」「きょうだいはどうしよう!?」と焦ってしまいますが、入院とはいえ予定入院となればいったん家に帰れます。病状や検査スケジュールによって、医師の判断が変わります。
逆に診察からそのまま入院となった場合、あらかじめ準備しておくことはできません。大急ぎで家に戻って支度するか、家族の誰かに持ってきてもらうかが必要です。やることの優先順位をつけて、準備を進めていきましょう。
2.準備する持ち物とやることをリストアップ
準備する持ち物のリスト
入院の準備は持ち物を用意することと、生活に対する根回しにわけられます。あれもこれもと気を回しすぎず、最低限必要なものをピックアップして整理しましょう。まずは持ち物の用意です。1)必要書類、2)着替えや日用品、3)付き添う人の持ち物、4)持ち込めないものの順に、必要なものをリストにしてみました。実際にご用意いただく際には、病院の規定に従ってください。
入院が長期間に及ぶ場合は、快適さを出すための工夫もあるといいかもしれません。これについてはママたちの座談会で触れています。
必要書類
入院時に必要な書類は、病院や自治体によって異なります。印鑑を持参するように言われることもあります。母子手帳は過去の成長の記録や予防接種の履歴、病歴を確認するのに役立ちます。記入漏れがないか確認しておくとよいでしょう。
着替えや日用品
洗面グッズ、ケア用品は病院内にある売店で販売していることが多いアイテムです。シールブックや折り紙を販売している病院もあるので、手持ちのもので飽きてしまったときは売店をのぞいてみると時間を潰せるグッズがみつかるかもしれません。
食事セットのコップや箸類は、使うたびに洗うのが何かと大変です。紙コップや使い捨てのスプーン、割りばしを売店で購入すると、洗う手間も省け衛生的です。
付き添う人の持ち物
付き添いのときの荷物は泊まり込みの場合と、面会時間内のみの場合とで変わってきます。しかし、いずれの場合もあると便利なのが、携帯用の充電器。着るもの以外のほとんどのものは、病院の売店でもそろうはずです。
持ち込めないもの
火の元になるようなものは、刃物などの危険物は持ち込むことができません。子供が工作で使うハサミも、持ち込みができないものの対象となっている場合があります。湯沸かしポットや扇風機といった家電類を制限している病院もあるようです。
連絡をしておく関係者リスト
続いて生活に対する根回しです。入院に伴い、子供や親の関係先に必要事項を連絡しなければいけません。根回しをしておくことで、支援が受けやすくなったり退院後の生活がスムーズになったりします。
連絡先1:家族
パパや入院する以外の子供に話を伝えます。緊急入院なのか、予定入院なのかで受け取り方は変わります。一刻を争う事態であれば別ですが、留守番をする人と付き添いをする人で役割を考える必要があるため、落ち着いて情報を共有してくださいね。
連絡先2:別居の家族
お手伝いを頼むことになるかもしれないおじいちゃん、おばあちゃんや、ご自身の兄弟姉妹などにあらかじめ伝えておくようにしましょう。おじいちゃん、おばあちゃんは孫が入院と聞いただけでパニックになることがあります。いきなり病状を伝えるよりも「詳しいことは検査してみないとわからないの」などとオブラートに包む方が、入院期間を穏やかに過ごせます。
連絡先3:子供関係
まずは幼稚園や保育園・小学校への連絡です。入院期間と登園・登校する目安の時期、病名と簡単な病状の説明、手紙などの受け渡し方法、何かあった時の連絡先などを伝えましょう。
習い事をしていたら、休会や振り替えの手続きをします。入院、療養が長期にわたる場合は、休会もしくは一時退会して再入会を行った方がコストが抑えられることがあります。窓口で一度相談してみるといいかもしれません。休会や振り替えのシステムは、事業者によって異なります。必ず利用規約をご確認ください。
連絡先4:勤務先・友人
入院中は遅刻や早退、欠勤が増えることが考えられます。必要に応じて所属部署や取引先などに状況を説明しましょう。取引先にはプライベートな事情までを詳しく伝える必要はありませんが、担当の交代やスケジュールの調整など影響が及ぶ場合は、一報をいれておくとスマートです。
ママ友にもサポートをお願いすることが出てくるかもしれません。特に兄弟姉妹がいるご家庭では、遊びについでにお友だちの家で預かってもらうというケースが多いようです。
忘れないでやることのリスト
こちらも生活に対する根回しで必要なことです。入院中は家を留守にすることが多く、普段の生活サイクルの通りに回せないことが出てきます。家事はある程度滞ってしまっても仕方がないと割り切れますが、対外的な影響が出てくるものは漏れなく対応しておきたいものです。
支払い関係の整理
自治会費や給食費、教材費など振り込みではない支払いはありませんか? 毎月の支払い関係のほか、不定期の支払い物がないかもチェックしておきましょう。
宅配や新聞の停止
家に帰れない日が続いたり、時間的な余裕がない場合は配達物がドンドン溜まってしまいます。新聞、食材などの定期宅配物は一定期間配達を停止する手続きをしておくと安心です。
決まっていた約束のキャンセルまたは延期
お友だちとの約束、美容院や歯医者などの予約は入っていないか、子供と自分の双方を確認しておきましょう。退院してもしばらくは日常生活に戻るまでに時間がかかるものです。無理のない範囲で予定を組みなおすことをおすすめします。
冷蔵庫の中身の整理
少しくらいの家事の手抜きは仕方がないとはいえ、生ものや野菜などの食べ物を放置しておくと悲惨な状況になってしまいます。悪くなりやすいもの、消費期限が近付いているものは早めに処分したり調理したりして整理しておきましょう。これを怠ると、あとで面倒が一つ増えます。
3.費用の助成や保険をチェック
自治体の医療費助成方法をチェック
小児医療の場合、自治体によって受診料や治療費が助成される例が少なくありません。高額医療費制度や特定疾患に対する医療費助成、小児医療費助成などを受けると、医療費がまるまる免除になったり一部負担で済んだりと、家計にとっては大きなメリットがあります。
とはいえ、助成の対象疾患や年齢、支給方法は自治体やかかった医療機関がある地域で変わってきます。受給者証を窓口で提示すれば一時負担がまったく必要ない地域もあれば、窓口で一時負担し、後日に指定口座に振り込まれるといったシステムが採用されているところもあります。
また、地域外の医療機関を受診した場合、窓口で全額支払いをした後、後日にまとめて自治体の窓口に申請する必要があるなど、助成を受けるには一定の条件が設けられていることもあるため、所属する自治体の助成システムについて、確認するとよいでしょう。
健康保険組合の医療費助成の確認
加入している健康保険組合にも、医療費の助成が受けられる制度があります。もっともメジャーなのは「限度額適用認定証」です。どこかで聞いたことのある名前だなと感じた方もいるかもしれません。出産の際に、分娩費の助成でも適用されるのがこの制度。ひと月の医療費が一定以上の金額を超えた場合、健康保険組合に直接請求されるという制度で、これを利用すると限度額以上の金額が請求されるということはなくなります。
支払いの限度額は収入に応じて異なり、標準報酬月額26万円以下の方は57,600円、報酬28万~50万円の方は80,100円+(総医療費-267,000円)×1%、報酬53万~79万円の方は167,400円+(総医療費-558,000円)×1%などとなっています。詳しくは加入されている健康保険組合にお問い合わせください。差額ベッド代、食事代などは医療費に含まれませんので注意が必要です。
健康保険組合によっては、独自の制度を設けていることもあるようです。入院が決まったら、どのような助成や補助が受けられるのか、ホームページや電話で確認するとよい情報が見つかるかもしれません。
加入している医療保険等に連絡
子供の入院が病気や家庭内で起きた事故やケガによる場合、ご自身で加入していた保険が適用されるケースもあります。加入している保険によって入院日数や適用疾患が異なりますので、一度確認してみるとよいでしょう。
学校や幼稚園などの活動中に入院に該当する事象が起きた場合、教育機関で加入している「災害共済給付制度」の適用となる場合があります。部活動でケガをした、園内で事故が起きたといった場合は、所属している教育機関に問い合わせしてみてください。
4.付き添いやお風呂の病院システムを知ろう
付き添い条件が病院によって異なる理由
子供が入院となると、親としてはできるだけ付き添いをしてあげたい反面、諸々の条件からそれがかなわないことがあります。病院側のシステムも施設によってまちまちで、一概に「子供の入院はこうだ」と事例をあげることはできません。
これは、入院の付き添いに関して健康保険法の「基準看護」に定められた基準があり、看護料が診療報酬点数として加算される保険医療機関は、患者側の負担による付き添い看護を求めてはならないと決められているためです。
病院側もこの規定に沿わなければいけないという事情があるのですが、患者の病状などによって付き添いが認められていることもあり、小児病棟では例外的に付き添いが求められたり、付き添いを認めたりといった場合があるようです。
娘が入院した大学病院では、一般病棟の面会が15時から20時だったのに対し、小児病棟は9時から21時となっていました。これは朝や夜の子供の不安を軽減することに配慮した結果かと思われます。
食事やおやつの制限と親のご飯タイムを考えて
入院する子供が食事やおやつを制限されるのはもちろんのこと、病室では付き添い人が病室で食事を取ることが禁止されていることがあります。今回の私はこのパターン。そのため、娘がみんなで食事をしている最中に付属のコンビニに買い出しに行ってベンチで食事をし、病室に戻るということをしていました。
逆に、個室で付き添っている場合は子供を病室に残して食べ物の買い出しに行くことを禁止されることもあるようです。ママやパパが付き添う場合は、自分たちの食事をどのタイミングに挟むか、考えておくことは大きなポイントです。付き添いは思いのほか疲れがたまるもの。食事とデザートで、しっかりエネルギーを補給してくださいね。
あわただしいお風呂タイム
お風呂は病院によって親も一緒に入れたり、入院患者しか入れなかったりとマチマチです。シャワールームだけのところ、バスタブで入浴ができるところと施設も異なります。入院した大学病院の場合は入浴時間が30分ごとに区切られており、検査などとかぶらない時間を看護師さんに伝えて、空いているタイミングに予約を入れるというシステム。娘には特に制限がなかったため、検査が終わった夕方ころに毎日シャワーを使用するというスケジュールでした。
ほかの病院では、シャワールームに置かれたスケジュール表に名前やルーム番号などを書き込んで予約、入ろうと思ったときに空いていれば入れる、介助が必要な人は2日に1回などのルールが見受けられます。いずれにしても、お風呂は体力の消耗や細菌感染が起きやすい場所です。入浴、シャワー共に医師の許可を得てから利用するようにしましょう。
病院の一日のスケジュールは細かく決められている割に、検査や回診が時間通りに進まないことが多く、拘束時間がやたらと長くなりがちです。そのためシャワーの予約時間に間に合わないこともしばしば起こります。看護師さんとも相談しながら、タイミングをみて「今は入れる」というときにサッと済ませられるように心構えをしておくと良いかもしれません。
5.子供の入院便利アイテム
空調管理されている室内に合わせた着替えを
病院内は空調が管理されているため、冬でも暑いくらいで子供は半そでになりたがりました。夏場は涼しく、院内では快適に過ごしています。冬場にモコモコのパジャマにすると、暑くて寝付けないという話も聞きます。
厚手のものがいいか薄手のものがいいか迷ったら、薄手のものにベストなど1枚はおれるものを用意しておくのをおすすめします。娘は…「あっつい、あっつい」と文句を言いながら、薄手の長袖パジャマをひじと膝までまくっていました。
洋服に着替えて一日のメリハリをつける子も
入院中は朝から晩までパジャマのままでいるものかと思っていたのですが、入院が長い子は起きてから洋服に着替え、夜寝るときにパジャマに着替えるという生活をしていたため、娘もそれに倣いました。看護師さんに聞いてみたところ、パジャマのままで大丈夫ですが、生活のメリハリをつけるためにも着替えをして過ごしている子が多いようです。
病状が比較的安定していて、準備をするときに余裕があったら、洋服の上下セットも入れてみてはいかがでしょうか。周りの子に合わせ子供が「私も着替えたい!」と言い出したときに、柔軟に対応ができます。
靴は安全性と清潔さを考えて
靴は転倒防止のため、かかとのある脱ぎ履きしやすいものが求められます。スリッポンや上履きで対応するとよいでしょう。
そしてやっておきたいのは臭い対策。娘は歩ける状態だったため、過ごしているのはたいていがプレイルームです。とはいえ、検査や安静時間はベッドに戻らなくてはいけません。検査のときには手や足になにやらコードを装着するので、院内では基本素足。素足のまま靴を脱いだり履いたりが多くなり、気付いたら、靴の中がとても臭うのです。もちろん、足も。
洗い替えを用意するのも大変なので、消臭剤をシュッとするか、靴下をそのつど履かせるか、足に臭い対策をするか。都合のいい方法で、対処してみてください。
静かなおもちゃが基本
娘の病院では、院内で音が出るものは基本的にNGでした。子供の入院で活躍するゲームやポータブルのDVD機器などの使用は認められていますが、イヤホンの利用が必須です。そこでおもちゃは、音が出ず持ち運びがしやすい軽いいものを選びました。
役立ったのは折り紙とマスキングテープ。シールブックも重宝します。折ったりはったりに飽きたら、ワークブックにぬりえです。病院によってはハサミが使えないこともあるので注意してください。隣のベッドの男の子は、塩ビの恐竜セットと電車でひたすら「ガオーっ」「シューっ」「ガタンゴトーン」を繰り返していました。おやつがないから、機嫌をとるのも大変です。
洗濯ばさみが大活躍
私が一番重宝したのは「洗濯ばさみ」です。濡れたバスタオルを干したり、コンビニの袋をかけてゴミ箱代わりにしたり。ナースコールも寝ているときにコードが首に巻きつかないか心配だったので、ベッドの柵に手元に届く位置で固定しておくのに使いました。たくさんあれば手遊びの道具のひとつにもなりますよ。
買い出しやトイレに行くときに、お財布やケータイを持って歩く小さなバッグもあると便利です。貴重品を入れておく小さな金庫はありますが、いちいち出し入れするのは面倒。私はバッグを用意しておかなかったので、金庫に財布を預け、コンビニで使えるsuicaとスマホをポケットに突っ込み院内を歩いていました。なんて男前。ほかには、電池式の携帯用充電器もあると便利なアイテムという声が多いようです。
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6.医師とのコミュニケーション
病状の伝達にはメモや写真、動画の記録を活用
医師とコミュニケーションするときに大切になるのが、病状を正確に伝えること、質問や気がかりをもれなく確認することです。入院中は医師と話せる機会が限られているため、いつ発症した(気付いた)のか、どのような症状が出たのか、間隔や日時をできるだけ記録にとっておきましょう。手書きでメモをする、ケータイに記録する、動画や写真を撮るなどの方法があります。
気付いた症状のメモをもとに医師と話をすると、情報の正確性が保て聞き漏らしも防げます。また、どのような検査をしたのかもメモをして管理しておくと、検査結果を聴くときに役立ちます。
地域の病院への転院やかかりつけ医との連携も視野に
検査が終わり診断がついたり、初期の治療が終わったりして継続的な治療に移る場合は、地元の病院への転院も視野に入れて相談できるケースがあります。付き添い条件や通院も含め、無理がある場合は医師に一度相談してみてはいかがでしょうか。
娘の場合は診断がつくまでは大学病院で、治療となった場合は地元の病院を紹介してもらうことになっています。といいつつ、発症から3ヵ月が経過してまだ確定診断がついていない状況。経過観察と検査はまだまだ続きます。
この間に、かかりつけ医に病状の報告と経過についての相談をしてみました。かかりつけ医は初めに脳の病気を疑って総合病院を紹介してから後の経緯を知りません。通常は紹介状を書いてもらって医療機関を受診すると、紹介元の病院に診断結果を返信として送るシステムになっているのですが、今回の流れでは、かかりつけ医のもとに届くのは総合病院からの結果のみ。眼科受診以降の流れを把握できないため、情報を共有しておいてほしいという思いがあり、クリニックに赴きました。
報告だけのため診察はなかったのですが、娘のカルテを開き記入してくれました。そして大学病院で聞き漏らしていたことについて、先生なりの解説をしてくださいました。私の方は、かかりつけ医の先生に聞いてもらえた安心感で、日常が戻ったような気がしたのです。かかりつけ医では、今後も風邪などの軽い症状での受診や予防接種などが続きます。地域の医療機関との連携についても相談できるので、時間の余裕があるときに情報を共有しておいて損はないかと思います。
7.家族との連携やサービスの利用
融通が利きやすい長期休み
付き添い条件が病院によって違うため、家族にかかる負担は一概にはまとめられませんが、ママパパだけの手では足りないことも出てくるでしょう。そんなときはジジババや自身の兄弟姉妹、ママ友や自治体のサポートが選択肢として挙げられます。
我が家の場合は、私の実家と車で30分の距離で小学生の兄が春休み期間中だったため、朝に夫が出勤するついでに長男を実家へ送り届け、夜の勤務終了後に実家から長男をピックアップして帰宅するという毎日を過ごしました。そのおかげで私は病院と自宅の間を往復するだけで済んだのです。
遠方のジジババの家に泊りがけで遊びに行かせる、というご家族もありました。小学校の通常授業時は難しいですが、幼稚園や未就園児では有効な手段のひとつとなりそうです。
家族と連携する場合
もしも兄弟姉妹の学校がある時期だったら、学校を中心とした調整が必要です。我が家だったら基本は息子の下校時間に合わせてジジババに家に来てもらい、都合がつかない日は夫が帰ってきてから夜だけ娘の付き添いに行くなどの工夫が必要だったことでしょう。同じ病棟の兄弟姉妹がいるおうちは、兄弟を病院に連れてきて、面会中は病棟前の待機スペースで待っているという方法を取っていました。
お友だちのおうちにお世話になる
ママ友に兄弟のお世話をお願いしていた方もいます。日中に子どもを預かってもらい、夕方引き取りに行くという流れです。こんな時のママ友は、本当に心強いです。いろいろと問題な点ばかりクローズアップされるママ友ですが、頼りになるのも近所のママ友です。
自治体や民間のサービスを利用する
実家が遠方でどうしても頼れない、周囲に頼れるママ友がいないというときは、自治体や民間のサービスが利用できます。多くは事前の登録が必要ですが、自治体や状況によっては即時の利用も相談にのってくれるケースがあるようです。
ただし保育園激戦区の地域では、一時保育の利用を断られることもあります。利用できる年齢や利用時間が施設によって異なることもあるため、注意が必要です。できれば、緊急事態を想定して、日ごろからもしもの場合の対応を考えておくとよいでしょう。
小学生を対象として、一時預かりのサービスを提供している民間業者もあります。「学童 一時預かり」や「放課後スクール 一時預かり」に地域名を入れて検索すると、サービスを提供する団体がヒットします。自治体が提供するファミリーサポートも、こうした時に便利なサービスです。
不安なことは医師や病棟看護師と相談を
ここでご紹介した内容は私の体験をもとにしたことが中心です。病院ごとに方針が異なったり、病状によって対応は細かく分かれます。具体的なことに関しては必ずご自身で確認してください。
子供が入院となると、疲れた頭と体で治療や検査の説明と同意に対応しなければならず、毎日なにをしているかわからないまま過ぎてしまうことも多いはずです。そんな時はやること、聞くことなどをメモに書き出すと、頭が整理されスムーズに行動できるようになりますよ。ママやパパが参ってしまわないように、借りられる助けは借りて、気を緩められる時間が作れますように。
体験談:入院で感じた不安と病気との付き合い方
しかし、入院を伴う病気の場合、診察から治療まで時間を有する場合も多く、娘は診断が付くまで少なくとも半年、長いと年単位でかかるかもしれないといわれています。かかりつけ医の話では、診断がついても治療方法が確定するまでさらに1年くらいかかることもあるそうです。
このように、命の危険が迫っているときを除いて、手術や検査の予約が数ヵ月先、診断がつくのはさらにそのあとというのはめずらしいことではありません。そうとわかっていても、何もしないという時間がモヤモヤモヤモヤするのよ~という思いをソフトに伝えたら、かかりつけ医には「焦らない」ということを言われました。そして、心配すべき症状について細かくレクチャーしてもらい「こういうことが起こらない限りは心配しないで大丈夫」と暗に「いいか、もうブチブチ言うんじゃないぞ」という気持ちを示されています(笑)。
親としては「そういうことが起こらないために、今どうにかして~」という気持ちがあるのも、先生方も重々承知。でも、「成すすべがない」「医者も悩ましい状況」なのです。私もまだ完全に吹っ切れているわけではありません。でも、これから悪くなっていくかもしれないという定かではない未来のために、今、この瞬間を暗い気持ちで塗りつぶされるのはまっぴらです。
大学病院の主治医2人と、かかりつけ医に何度か話をしたうえで、不安な気持ちは整理できました。相談するうえでは感情的にならず、自分なりに知識を身に着けることが必要だと思いますが、質問をすると先生方も真摯に教えてくださいます。時には医療業界の裏情報も聞けたりしますよ。
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