戌の日・安産祈願・帯祝いとは?
年賀状に書く「干支」などでおなじみの十二支。あまり知られていませんが、「年」だけでなく「日」にも十二支が当てはめられています。うなぎを食べる「土用の丑(うし)」などもこの暦に基づいています。
その中で「日」に当てはめられた十二支の「戌」にあたる日が「戌(いぬ)の日」。
犬はお産が軽く、一度にたくさんの子を産み、狛犬のように悪鬼を祓い赤ちゃんを守るといわれています。そんな犬(戌)にあやかって、安定期といわれる妊娠5ヵ月の戌の日に安産を祈る習慣があります。
大きくなったお腹を支え、冷えからも守るための腹帯を締めることから「帯祝い」ともいわれます。
戌の日の計算方法
日の干支は12日で一巡するので、12日に1度戌の日が巡ってきます。2017年なら下記でご紹介する日程、それ以降なら下記の日付から12日後、そのまた12日後、と辿っていけば戌の日がわかります。
とはいえ、カレンダーとのにらめっこはややこしいので、数年分の戌の日を掲載していたり、戌の日を自動で計算してくれるサイトなども活用するのがおすすめです。
2017~2018年戌の日カレンダー
妊娠5ヵ月というのは週数でいうと16週から19週にあたる28日間。その週数の間に2~3回戌の日があるはずです。
2017年戌の日カレンダー
2017年の戌の日は以下の通りです。
1月11日(水)/1月23日(月)
2月4日(土)/2月16日(木)/2月28日(火)
3月12日(日)/3月24日(金)
●4月5日(水)/●4月17日(月)/4月29日(土・祝)
5月11日(木)/5月23日(火)
6月4日(日)/6月16日(金)/6月28日(水)
7月10日(月)/7月22日(土)
●8月3日(木)/●8月15日(火)/8月27日(日)
9月8日(金)/9月20日(水)
10月2日(月)/10月14日(土)/10月26日(木)
11月7日(火)/●11月19日(日)
●12月1日(金)/●12月13日(水)/12月25日(月)
このうち、●印のついている7つの戌の日は六曜の「大安」にあたる日なので、特に縁起がよいとされています。
ちなみに大安の戌の日は年によってかなりばらつきがあり、2016年は2日しかありませんでした。
2018年戌の日カレンダー
2018年の戌の日は以下の通りです。
1月6日(土)/1月18日(木)/1月30日(火)
2月11日(日)/2月23日(金)
3月7日(水)/3月19日(月)/3月31日(土)
4月12日(木)/●4月24日(火)
●5月6日(日)/5月18日(金)/5月30日(水)
6月11日(月)/6月23日(土)
7月5日(木)/7月17日(火)/7月29日(日)
8月10日(金)/8月22日(水)
9月3日(月)/9月15日(土)/9月27日(木)
10月9日(火)/10月21日(日)
11月2日(金)/11月14日(水)/11月26日(月)
12月8日(土)/12月20日(木)
このうち、●印のついている2つの戌の日は六曜の「大安」にあたる日なので、特に縁起がよいとされています。
安産祈願ってどんなもの?
安産祈願の流れと予約
神社の場合、まず社務所などで安産祈願の受付を行い、祈祷料を納めます。その後本殿でお祓いを受け、祝詞(のりと)をあげてもらいます。終わったら授与品が渡されます。神社によりますが、腹帯、お札、お守りなどが多いです。
時間が決まっている場合や複数組まとめての祈祷になる場合などは待合室で待つ場合もありますが、祈祷自体はほとんどの神社で10~15分程度です。
神社でなくお寺の場合でも流れや時間はあまり変わりありません。
事前予約が必要な社寺や、当日受付のみの社寺もあるので、事前に確認しておきましょう。
安産祈願の費用
金額が決まっている神社やお寺が多く、5,000円から10,000円程度のことが多いようです。「お気持ちで」と特に指定のない場合は、相場を参考に考えましょう。
また、安産祈願で有名な社寺など、腹帯を用意してもらえることもありますが、そうでない場合などは腹帯購入にもお金がかかります。タイプにもよりますが1,000円~3,000円程度のものが多いです。
あまり費用や時間をかけたくない場合は、祈祷をしてもらわずにお賽銭を入れて安産のお守りを求めるだけ、という方法もあります。
安産祈願はどこでできる?
東京都中央区にある「水天宮」、東京都八王子市にある「子安神社」、兵庫県宝塚市にある「中山寺」、宮城県塩竈市にある「塩竃神社」などが有名ですが、有名なところでなくても多くの神社やお寺で安産祈願を受け付けています。
地域から調べられるサイトもあるので、利用してみてください。
【安産祈願神社どっとこむ】 安産祈願についてと日本全国の安産祈願の寺社をご紹介
形式よりも赤ちゃんを迎える心の準備を
安定期であっても妊娠中は体調が不安定なものです。安産祈願に行く場合も「5ヵ月のうちに」「絶対戌の日に」といったことにはこだわりすぎず、体調の良い日を選んで行きましょう。安産祈願で有名な神社やお寺は戌の日は混雑することも多いので、あえて戌の日をはずすのも一つの選択です。
また、「神社やお寺に安産祈願に行かなかったから安産にならない」なんてことは決してありませんので、行く気にならなかったりタイミングを逃して行けなくても気にする必要はありません。実際安産祈願のために神社やお寺に行かない人は2~3割いるとどこかで聞いたことがあります。
安産祈願というのは何かと不安の多い「妊娠初期」を無事乗り越えられたことをありがたく思い、これからくる「出産」「育児」という大仕事に向けて気持ちを新たにする、という気持ちの区切りではないかと思います。風習に従って神社やお寺で祈るもよし。教会で祈るのもよし。自宅で夫婦でお互いに決意表明するもよし。どこにも行かずに心の中でそっと祈ってみるのもよし。
この記事を読んでくれた妊婦さんが元気な赤ちゃんを産むことをお祈りしております!