こんにちは!フリーライターのMiOです。毎日毎日暑いですね。
実はうちの長女ナツと次女フユは数年前から髪の毛を伸ばし続けているので、この猛暑はつらすぎる様子。まあ、小学校は冷房ありませんし、マフラー並みの長髪がぶら下がっているんですから、暑いのは当たり前ですね(笑)
そうまでして娘たちが髪を伸ばしているのには、理由がありまして。
実は5年前、娘たちがお世話になった幼稚園の先生が白血病になったんです。何年か入退院を繰り返して今は元気になられたのですが、やはり治療の過程で髪が抜けてしまい、ウィッグをかぶっていた時期がありました。それが娘たちにはショックだった様子。
病気で髪の毛がなくなってしまった人がいるという事実、そして自分の頭にあるつやつやの髪を見比べて子ども心に考えました。そして、自分たちに何かできることはないかと、探した活動が「ヘアドネーション」なんです。
ヘアドネーションとは
ヘアドネーションというのは、医療用のウィッグの材料になる「髪の毛を寄付する」ことをいいます。基本的には、頭皮や頭髪の病気などで、髪の毛を失ってしまった子どもたちが使うウィッグが作られます。
ウィッグは人工の毛髪でも作れるのでしょうが、より自然なウィッグを作るためにはやはり人毛が一番なんだとか。なので、寄付された髪の毛を集めて、その子に合ったウィッグを無料で作ってあげるのだそうです。
ちなみに日本の大きなヘアドネーション団体としては、「JHD&C」と「つな髪」というところが有名です。
いざヘアドネーション
条件は長さが31㎝以上あること
ヘアドネーションの条件として「髪の毛の長さは31㎝以上あること」というものがあります。これはウィッグを作るのに必要な最低限の長さなのだそうです。(つな髪では部分ウィッグ用として、15cmの長さの髪でも受け入れてくれます。)
髪の毛は一か月に1cm伸びると考えても、31cm伸ばすには3年弱かかる計算。なかなか根気がいりますね。
ナツとフユは幼稚園時代に「髪が伸びたらヘアドネーション」と決めたのですが、子どもにとって3年は遠い将来でしかありません。その間、長い髪を維持するのはそれなりに努力が必要です。
親である私が強要するとプチ虐待にもなりかねない…と、ヘアドネーションを決心した後はあえて触れずに過ごしてきました。なんせ子どものことなので、その間気が変わったり当初の目的を忘れたりもありましたが、ようやくここまで伸ばすことができました。
長女ナツは40センチ以上、十分に寄付できます。
次女フユもショートカットにすれば、ギリギリ31センチカットできそうです。
引っ張っても切れないくらい健康な髪であること
ヘアドネーションをするなら、長さだけではなく「健康な髪」であることも大切です。
条件としては、引っ張ったときにプチプチ切れたりしないこと。また、枝毛だらけで傷みが目立つ髪も使用不可です。
子どもが使うウィッグですから、できるだけパーマもカラーもしていないピュアな髪のほうがいいかもしれませんが、ひどく傷んでいなければ、パーマやカラーを繰り返した大人の髪でもいいそうです。白髪染めの髪もOKなんですって。
というのも、ウィッグを作るためには30人くらいの髪の毛の良い部分だけを集めて作るので、色調をそろえるために必ず染色やトリートメントなどを施すのだそうです。しかも海外に送って加工してもらうのだとか。ウィッグって結構手間がかかるんですね。
カット方法は2種類
提携の美容室でカットする
いざヘアカット!と言っても、素人にはどこをどのように切ったらいいかがわからないですよね。
そんな時は、ヘアドネーション提携のサロン(美容室)でカットしてもらうのがお手軽です。カットする長さや髪のまとめ方などはサロン側が把握していますので、普段カットするのと同じ感覚で、ヘアドネーションをすることができますよ。ただ、カット代は自前でお支払いする必要がありますので、あしからず。
サービス内容はサロンによって違いますが、カットした髪の毛を送付するところまでやってくれることが多いようです。ちなみにJHD&Cの提携サロンは、東京都で284か所。もしかすると、お近くの美容室が提携しているかもしれませんね。
行きつけの美容室でカットして、自分で送付
とはいえ、慣れない美容室に行くのは心配…。というかたは、行きつけの美容室に相談してみてください。
ヘアドネーション用に髪の毛を持ち帰りたい、と伝えると、快く承諾してくれる美容室が多いと思います。ただ、少し手間のかかる作業をサービスでしていただくことになるので、無理強いは禁物。嫌がられることもあると想定して、あらかじめ予約の時にでもヘアドネーションをしたい旨伝えて、相談しておくといいかと思います。
さて、我が家のナツとフユもこちらのパターンでヘアドネーションしました。
やはり子どもですから、慣れない美容室に行くと緊張してしまうし、連れていく私も気疲れしてしまいそう。ですので昔から通っている行きつけの美容室にお願いしました。
美容師さんは快くカットを引き受けてくれましたが、利用する側のマナーとして、髪を束ねるシリコンゴムと長さを測る定規、それにカットした髪を持ち帰るジッパー袋は、自宅から持参することにしました。
髪のカットの仕方や束ねる位置などは、ヘアドネーション団体によって少しずつ違いがありますので、詳しくは団体のサイトを参考にしてください。
ナツの場合は、全部の髪を6つに小分けし、シリコンゴムで束ねた上1cmくらいのところをカットしました。
ゴムが切れたりゆるんだりすると悲惨なことになります。輸送中にゴムが切れて髪がばらばらになると、使えないこともあるのだとか。シリコンゴムは劣化していないものを用意したいですね。
ジッパー袋に入れて郵送します。
郵送先は団体によって違いますので、下記参考リンクをご参照くださいね。
スッキリサッパリのおまけつき
5年ほど髪の毛を伸ばし続けたナツとフユ。
重く長い髪の毛がなくなった軽やかさと、いいことをしたというすがすがしい気持ちが相まって、今はスッキリサッパリ過ごしています。
お金を寄付したり、肉体労働をするような慈善活動はまだ無理でも、子どもが「誰かのため」にできることはあるんですね。娘たちの髪で作られたウィッグを受け取ってくれた子も幸せになれると思いますが、娘たちの心も温かく満たされたような経験でした。
もし、七五三や発表会などのために長く伸ばしていた髪の毛をバッサリ切るなら、ぜひヘアドネーションも考えてみてくださいね。もっとヘアドネーションが浸透して、髪の毛は捨てずに寄付するのが当たり前な世の中になるといいなと思っています。