雑記・コラム

【jumelleの双子生活5】〜妊娠編:名付けはどうする!?ハーフな双子の名付け方〜

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さて、名前をどうしよう?

つわりを乗り切り、妊婦検診で一人が女の子と判明した頃、早速義両親に言われました。

義両親
名前はどうするの?

あー、そうですよね、避けては通れない子供への「名付け」。
私は小さい頃から名付けが苦手で、例えば図画工作などでの題名を考えるのも散々後回しにした挙句、四苦八苦してつけたものはパッとせず、それ以来余計名付けから遠ざかっていたので、我が子に名付け、という責任重大な作業を目の当たりにして多いに悩みました。しかもダンナも名付け力は皆無に等しく、あてにできません。ということで外堀から埋めていく事にしました。

名付けの条件6つ

1:義両親からのお願い

義両親とのスカイプの時に一つだけ言われた条件がありました。それは

義両親
同じイニシャル(頭文字)にしないで

ということ。双子というと顔が似てるのが定番なので、似てる顔に同じイニシャルだと余計混乱するから、という理由でした。確かにわからんでもないです。実際産まれてくると全く違う顔が出てきたわけですが(笑)、お腹にいるうちはそんなことわかるはずもなく、特にこだわりもないので、確かに混乱するよねとその条件は素直にのみました。

義両親からの名付けについてのお願いはこれだけだったので自由度は高かったのですが、外堀を埋めたい私には不十分なものでした(笑)

2:日本名?それとも外国名?

国際夫婦間の名付けでまず考えるのが日本名にするか外国名にするかです。これは考え方や住む場所によって選択が全く変わってきます。

私たちの場合はこの後日本定住ではなくスイスに戻る予定でした。スイス環境においても日本人のアイデンティティを持っていて欲しいという見解が一致したので、日本名をつける事にしました。これがもし日本に定住するつもりだったらスイス名をつけていたかもしれません。
他の国際カップルの話を聞くと、外国名を付ける、昔から決めていた由来のある名前を付ける、日本名と外国名を一つずつ付ける(一つはミドルネーム)、外国名のような日本名をつける、など様々でした。

3:発音問題

日本名を付けるとはいえ、スイス人のダンナの言語はフランス語、今後の生活はフランス語圏なので、フランス語人でも簡単に発音できる名前にしておかないと生活に支障がでてしまいます。

フランス人が発音できない音、その代表格は「H」の音。いわゆる「フ(fu)以外のハ行」です。
フランス語では「H」を発音しないので、ハ行はもれなくア行になってしまいます。
「函館(Hakodate)」は「アコダテ」、「広島(Hiroshima)」は「イロシマ」です。
その上「チ(chi)」という音はフランス語では「シ」と発音が変わるので使えません。
「御徒町(Okachimachi)」が「オカシマシ」になります。

「ラ行」もフランス語の「r」は特殊で日本人が正しく発音できない音になりますし(その場合は「l」で代用可)、「サ行」は単語の途中だと濁ってしまいます(「大阪(Osaka)」が「オーザカ」)。

他にもフランス人は二重母音が発音しにくい、または綴りを正確に読んでもらえないので(アクセントが必要)、母音の連続も回避ポイントでした。

4:性別問題

フランス語を含むラテン系言語では、名前の語尾が「a」だと女、「o」だと男というのが定番です(他の母音(i/u/e)はそこまで顕著ではない)。

かたや私の本名はアラフォー日本人女子にありがちな「○子」なので「o」で終わる名前、すると勝手に男性認定されてしまい、DMなどの宛名に高確率で「M.(ムッシュー)」と書かれるのです。
些細なことですが地味にイヤなので、語尾は「o」の使用を避けました。
私の数少ない名付けの夢は「○乃」などちょっと古風な名前を付ける事でしたが、諦めました。

5:ソラミミ問題

外国の言葉でも日本語として読んでしまうと笑ってしまうものがありますよね。例えばスペイン語の「Ajo」はニンニクという意味ですが、発音すると「アホ」。フランス語の「ça va」は元気?という意味ですが、発音すると「サバ(鯖)」。「un gateau(ケーキ)」は発音すると「アンガトー」、「ありがとう」のくだけた発音に似ています。同じように日本語ではごく普通の言葉が他言語にすると全然違う意味になることがあります。このような名前は極力避けたいと思いました。

ちなみに苗字は名前ほど使わないのでそれほど支障ありません。

6:フルネームと名前の響き

それから私たちの苗字はスイス名ですので、それとの相性もあります。また、これが結構重要ですが、私自身が名前を呼んでも恥ずかしくない名前を見つけなければなりません。また、友人・知人にいない名前の方がいいな、と色々条件付けをしていくと何となく方向性が定まってきました。

論外:多言語問題

フランス語との兼ね合いでざっと挙げただけでも結構な音や組み合わせが消えてしまいます。また、スイスは60%がドイツ語圏、ドイツ語発音も少し気になります。それにダンナの母はイギリス人、英語の発音特徴も頭に入れておかないと英国側の親戚が混乱してしまいます。よく考えるとフランス語圏にはイタリア・スペイン人なども多数いるので…云々言ってると自分が埋めたかった外堀だけでなく、内側まで埋まってしまうので考えるのをやめました。

結局ヨーロッパ内でよくある名前の人でも別の国に行くと、その国の言い方で呼ばれてしまいます。それこそどの国でも同じ発音で呼ばれること自体無理という結論にたどり着き、紆余曲折ありましたが、とりあえず生活圏内で紛らわしくないよう心がける、ということで外堀は埋まりました。

なんとか見つけたものの…

消去法で条件をつけたところでようやく候補の名前が上がってきました。あとはその中から吟味して女子名を2つ、念のため男子名を1つ決めて、漢字もいい具合に当てはめて、あとは出産を待つのみ、となったところで思わぬ出来事が起こりました。

それは親戚の集まりに顔を出した時の事です。名付けの話になり、(名前は具体的には出さないけど)あれやこれや苦労したけどなんとかなったよ、という話をした後である人が口を開きました。

親戚のA子さん
ほんで、どんな名前にしたん?○○とか××とか?
あ、△□とか#*なんて日本ぽいけど海外の名前みたいやなぁ♪
三ヽ( ゚∀゚)ノ┌┛)`Д゚)・;’

彼女的には会話の一部として軽く口にしたのでしょうが、そこには私達が決めた候補名がばっちり入っていたのです。もうそこに挙げられてしまうと使いたくなくなります。

あーもー元の木網。今までの苦労が水の泡です。

その後もう一度決め直して現在の双子の名前になりました。双子としての関連性(韻をふむ等)は何もない独立型の日本名です(最初からこだわってませんでした)。

…という苦い経験から、私は名付けを悩んでいるであろう人の前で人名は不用意に出さないと心に誓いました。

非国際カップルのグローバルな名付けについて

最近では日本でも「グローバル化」の波のせいか、日本人カップルなのに非日本語的な名前を子供に付けたがる方がいらっしゃいます。将来国際的に活躍する時に渡り合えるような名前を、と考えているのかもしれませんが、ちょいとお待ちください。本当にそうでしょうか。

ローマ字問題

さて、ここで一つ外国名を思い浮かべてください。次にそれをカタカナで紙に書き、更にそのカタカナをローマ字で書き直してみてください。アルファベットではなく、日本語を表記する時に使うヘボン式ローマ字です(変換できるサイトに飛びます)。それがその外国名を持った子供のパスポートに記される綴りになります。元の外国名の本来の綴りと見比べてどうでしょう?なんだか野暮ったく感じませんか?そしてその綴りのまま外国人が発音するとまた違うモノになってしまいます。

片親が外国人の場合は、その国のパスポート表記との統合性も考慮して、日本のパスポートにも外国語の綴りそのままで表記できます(非ヘボン式)。

名前が持つイメージ問題

例えば仕事などで、日本名を持つ見た目100%外国人の方があなたに自己紹介したとします。
率直にどう思うでしょうか。こんな外見だけどもしかしてハーフ?クォーター?と日本繋がりを期待してしまいませんか?その方向で話をふってしまいませんか?
そして実は全く日本にルーツがなく、単に両親が「日本かぶれ」だったので付けられた名前だと知った時どう感じますか?(もちろんその人の言語の名前として、日本とよく似た発音の名前もあります。それはそれでまた話は広がります)
これをそっくりそのまま逆の立場になったところを想像してみてください。

流行り廃り問題

日本でも名前の流行があるように、海外でも名前の流行が各国で違います。日本で「カッコイイ!」と思って付けた外国名は、もしかしたら彼の国ではもはや使い古された印象の名前かもしれませんよ。

日本名もCOOLなんですよ

そんなわけで世間がいくらグローバル化だなんだと言っても、流されずに日本人として胸を張って日本の名前を付けた方が、国際化社会で活躍する時は強みになるのではないかと思うのです。
上記の発音問題も、大人になってからだと相手が間違えても正しやすいし、個性として話のネタにもできるので、かえって覚えられやすかったりします。

こちらにemishライターweedsさんが作った「名前チェック」の記事があります。ここで候補名をフォームに入力すると、その名前を使った様々なシチュエーションを客観的に見る事ができます。

子どもへの最初のプレゼント「名付け」は、悩んでいるうちにマタニティハイに拍車がかかりがち。候補が出てきたら冷静に検証してみましょう。
こんな偉そうなこと書いてる割には、付けた名前の途中に「s」が入っていて、一定の人に濁って発音されてしまってます。あーぁ。

 

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