積極的にすすめたわけではないのに、なぜか子供って電車や新幹線が好きですよね。我が家の2人の男子ももちろん電車が大・大・大好きです。
親としては電車以外の絵本を読んでもらいたいと思うものの、子供は動物やストーリーのある絵本には興味なし…。結局喜ぶのは電車絵本で困ってしまっているママも多いのではないでしょうか。
でも、大丈夫。電車や新幹線の絵本は名作の宝庫です。子鉄が喜ぶリアルな描写はもちろん、心がほんわか温まるようなストーリー、ひらがなや数の勉強、駅名や日本地図、震災の記憶まで、子供の世界を広げてくれる素敵な作品がたくさん出版されています。
この記事ではそんな電車絵本の中から特におすすめの15冊を紹介します。
目次
赤ちゃん~1歳児におすすめ:音の響きを楽しもう
がたん ごとん がたん ごとん
0歳児の赤ちゃんの絵本デビューにも選ばれている一冊です。「がたん ごとん がたん ごとん」という単純な音の繰り返しが赤ちゃんの心をとらえます。
汽車だけでなく、バナナやねこ、哺乳瓶など身近な食べ物や動物にも触れられます。
はまる子はドハマリする定番の絵本です。
カンカンカンでんしゃがくるよ
電車がどんどん進んでいくタイプの絵本ではなく、踏切を通過する電車がひたすら描かれているユニークな視点の絵本です。
踏切の外側にはゾウやウサギなど様々な動物や消防車やパトカーなどの乗り物も描かれています。
踏切を通過する電車も1種類ではなくJRのカラフルな電車や貨物列車など、次は何の電車が通過するんだろう?とワクワク楽しませてくれる仕掛けが満載です。貨物列車のページでは、貨車の数を数える場面も入っているため、数を教えるきっかけにも使えます。
でんしゃはうたう
電車の運転席から見える景色を描いた絵本です。リアルな車窓風景はもちろんですが、この絵本の一番の特徴は電車が出す音を見事に表現した擬音語のセリフです。
電車と言えば「ガタンゴトン」と口に出してしまう大人の先入観を吹き飛ばし、電車が奏でる楽しい音の世界を味わうことができます。
我が家の子供たちも大のお気に入りの絵本で何回も読みすぎてボロボロになってしまったため、最近2冊目を購入しました…。
2歳~未就園児におすすめ:電車をきっかけに世界を広げよう
でんしゃが きた
電車絵本の名手、竹下文子さんと鈴木まもるさんの最強タッグによる電車絵本です。
「でんしゃがきた」という一文と一緒に、様々な電車と電車にまつわる日常風景がていねいに描かれています。電車が大好きなお子さんでしたら、ページをめくるたびに大喜びすること間違いなしです。
ストーリー性はほとんどありませんが、最後に登場する震災直後の三陸鉄道のページは読んでいるママも胸が熱くなります。
でんしゃでいこうでんしゃでかえろう
前からも後ろからも読める楽しいしかけ絵本です。二両編成のレトロな電車とのどかな風景に心が温まります。
やまの駅からうみの駅へ向かう電車の様子が描かれているシンプルな内容ですが、シンプル故に子どもたちの心をつかみます。子どもがワクワクするトンネルに楽しいしかけが詰まった1冊です。美しい風景描写はもちろん、微妙に変化していく電車の音にも注目です。
せんろはつづく
電車が走る様子を描いた絵本が多い中、なぜか小人のような子どもたちが線路を作っていくという不思議な世界観のお話です。
線路を作っていくと、大きな山が立ちはだかったり、川が流れていたりと様々な障害にぶつかります。しかし子どもたちはみんなで協力しトンネルを掘ったり、鉄橋をかけたりと線路をどんどん伸ばしていくのです。
プラレールが好きなお子さんは、「線路を作る」というストーリにきっと魅了されるはず。「やまがあったらどうするの?」と子供に問いかけ、親子でアイディアを出し合うこともでき、子どもの想像力をはぐくむことができます。
この絵本が気に入ったら、以下2冊の続編もおすすめです。
3歳~年少・年中・年長さんにおすすめ:ストーリーのある絵本や就学準備にも
しんかんせん で ビューン
おじいちゃん・おばあちゃんのおうちから、主人公の男の子が新幹線を乗り継いで自分のおうちに帰るというお話の絵本。
はやぶさやこまちなどの人気新幹線はもちろん、見ると幸せになれると言われているドクターイエローも登場します。そして全ページにはあの幻の新幹線もひそかに描かれていたりと、細かいところまで仕掛けが盛りだくさんの絵本です。
裏表紙には新幹線の一覧もあるため、ママも新幹線に詳しくなれるかも…。
しゅっぱつしんこう!
「電車の絵本なら山本忠敬さん」と言われるほど、評価の高い電車絵本の名作です。子どもの絵本なの?と驚くくらい丁寧に描きこまれたリアルな急行電車の絵は電車マニアから高い評価を得ています。
今どきの電車ではなく廃線になった特急電車が中心の絵本のため、読んであげているパパとママの方が昔を思い出して懐かしくなってしまうかもしれません。
しんかんくんうちにくる
大好きな新幹線が家にやってくる!新幹線が大好きなお子さんにとっては夢のようなストーリーの絵本です。
リアルな描写とはかけ離れた新幹線の絵柄ですが、のぶみさんのかわいらしいイラストにじわじわ心惹かれていきます。
主人公の新幹線、しんかんくんのシリーズは多数出版されているため、お子さんが気に入ったらシリーズで揃えるのもおすすめです。
しんかんくんシリーズの絵本はコチラさいしゅうれっしゃのあとで
「どうぞのいす」で有名な柿本幸造さんの絵本です。最終列車を見送った駅長さんのもとに別の列車が近づいてきます。その不思議な列車には冬の到来をつげる木枯らしや雪だるまが乗客として乗っていました。
秋から冬への季節移り変わりを列車の乗客で表現するというちょっと不思議なファンタジーですが、やさしい雰囲気のイラストが子どもの想像力を刺激してくれます。
いちばんでんしゃの うんてんし
「大きくなったら電車の運転手さんになりたい!」というお子さんにおすすめの一冊。
高尾山発の中央線下り一番電車を舞台に、一番電車の運転手さんのお仕事を丁寧に描いています。
鉄道の描写は実際に取材しただけあり、とにかくリアル。運転台だけでなく、細部まで描きこまれた車両下の機械類、屋根の上の冷房装置や無線機器などは、電車にうるさい子鉄もきっと満足してくれるはずです。
あいうえお でんしゃ じてん
「うちの子電車にばっかり夢中で、ひらがなもかけない!」とお嘆きのママにおすすめの一冊。お子さんが大好きな電車や新幹線でひらがなが学べるというママにも子どもにも夢のような絵本です。
「あ」のページには熊本の人気観光列車「あそぼーい」、「は」のページはもちろん東北新幹線の「はやぶさ」が描かれています。書き順は文字の上を走る線路で表現。指を電車のように走らせながらひらがなを覚えられるようになっています。
ひらがなだけでなく、数や数字が学べる別シリーズも2017年2月に発売されました。
かずとすうじの でんしゃ じてん小学生におすすめ:本格的な子鉄も喜ぶリアルな電車絵本
しんかんせんでいこう
最新の北海道新幹線まできちんと載っている、北海道から九州までの新幹線と鉄道路線をわかりやすく描いた地図絵本です。
この絵本は「でんしゃでいこうでんしゃでかえろう」と同じように、前から読んでも後ろから読んでも話がつながるように作られています。また、新幹線とその路線図だけでなく、地域の私鉄や地方の街並みなども細かく描かれているのも特徴です。
日本の地図や地理を学ぶきっかけにもなるおすすめの1冊です。
はしれ ディーゼルきかんしゃデーデ
東日本大震災で大活躍したディーゼル機関車たちを主人公にし、実話を元にした絵本です。
震災直後、新幹線をはじめとする新幹線やJR在来線は次々に不通になり、東北への輸送手段が絶たれてしまいます。そんな中電気ではなく軽油で走ることができるディーゼル機関車たちが、福島県の郡山に燃料を届けようと奮闘するお話です。
ストーリーはもちろん、最後のあとがきを読むと大人も涙腺が崩壊します。
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鉄おも
絵本ではありませんが、子ども向けの鉄道雑誌が毎月出ているのをご存知でしょうか。最新の鉄道イベントや毎号異なる魅力的な特集記事が掲載されている「鉄おも」は、ママ鉄・子鉄たちの必須アイテムです。
電車の絵本を読んで子どもとの時間を楽しもう
私自身は一時、毎日同じ電車の絵本を持ってくる息子たちに「別の絵本にしようよ」と、ちょっとうんざりしてしまった経験があります。でも子供が興味のない絵本を読み聞かせても全然聞いてくれないんですよね。
そんな時に電車の絵本を調べてみると実は単純な図鑑式の絵本だけでなく、ストーリー性があって大人も感動するような絵本やひらがなや数を学べる知育絵本も出版されていることを知り、電車って奥が深いんだな…と反省した次第です。
キラキラした目で電車の絵本を眺めているお子さんと過ごす時間は、決して戻ることができない貴重な時間です。この記事が電車好きなお子さんと一緒に読む絵本の参考になれば幸いです。