「インフルエンザ予防接種の予約を開始しました」
9月に入り、こんな張り紙を病院の待合室で見ることが増え、今年も冬がやってくるんだなという気持ちになっているかたもいるのではないでしょうか。インフルエンザワクチンは9月から予約を開始し、10月より予防接種が解禁という自治体が多いのかもしれませんね。
我が家のかかりつけの小児科にも、同様の張り紙がありました。が、今年はその張り紙の下にもう一枚、「当院ではインフルエンザ経鼻ワクチンは扱いません。」というお知らせが張ってあったのです。
…インフルエンザの経鼻ワクチン…とは???
いったいこれは何なんでしょうか。
気になったので、ちょっと調べてみました。
※専門家ではないので、あくまで素人調べということでご了承ください。
経鼻ワクチンとは、「点鼻薬のような予防接種」
あまり聞きなじみのない「経鼻ワクチン」という言葉ですが、これは鼻の穴にシュッと吹きかけて、粘膜から吸収させるタイプのワクチンのことをいうようです。
要は点鼻薬のようなものをイメージしてもらえればいいかと思います。
メリットは、皮下注射のように針を刺さないので、痛くないということ。
注射を怖がる小さいお子さんでも、ストレスなく受けられるのがいいですね。
アメリカ製で、商品名は「フルミスト」
開発したのはアメリカです。弱毒の生ワクチンで、アメリカでは2003年に認可されています。
当初はこの予防接種を受ければ90%かかることはない!という謳い文句だったようですが、実際はそれほどの有効率はなかった様子。特に近年はあまり効かないというケースが多かったようです。
ちなみに、アメリカは今、フルミストの推奨を取りやめています。
ただ、メーカー側は流行している型さえワクチンと合えば有効だと主張しているため、どちらが正しいのかはわかりません。
▼ライター仲間tomahisa5さんの体験談
去年アメリカで推奨されなくなってからは取り扱いを中止したクリニックもあるようですが、うちの地元はまだやっています。理由は、痛くないから。子どもの負担にならないからいいじゃない、ということだそうです。
実際にお子さんがフルミストを摂取したライター仲間tomahisa5さんの体験談です。
フルミストでも注射でも、インフルエンザにかかることもあれば、かからないこともあるんですね。それなら、子どもは痛くないほうがうれしい!
日本ではまだ認可されていない
フルミストは、数年前から日本でもチラホラ受けられるところが出てきました。ただ、まだ日本では厚生労働省より認可されてはいません(2017.9現在)。そのため、フルミストを用意している病院は、アメリカで使用されているものを輸入して使っていることになります。
そのため、もし副反応が起きてしまった場合は、医薬品副作用被害者救済制度が利用できず、個人で責任を持つことになるため注意が必要です。
2歳から49歳までOK
フルミストが受けられるのは、2歳から49歳までです。
2歳未満、また50歳以上のかたは受けることができません。
また、重い卵アレルギーの方や、妊婦さんなども受けることができません。詳しくはフルミストを取り扱っている病院にご確認ください。
2017-2018年フルミストを取扱う病院(東京・大阪・福岡、他)受診方法・料金
号泣する子は効果薄
当たり前ですが、鼻に噴射するワクチンなので、鼻水ダラダラ流して号泣されてしまうと、ワクチンを粘膜から吸収することができません。
大泣きされてしまった場合は、効果が少ないと思ったほうがいいようです。
費用はやや高め
任意の予防接種はそもそも保険の適用外ですが、フルミストは輸入したものを使うことになるので、さらに割高なことが多いようです。
だいたい1回8000円~9000円くらいで設定している病院が多いでしょうか。
▼ライター仲間tomahisa5さんの体験談
料金が高い気がしていましたが、注射2回分が1回ですむと考えれば、それほど高くないのかも?
2回接種しなくてはいけない人もいる
ほとんどの方は1回の接種で済むのですが、以下の条件をすべて満たす方は2回受けなくてはいけないようです。
・生まれてから一度もインフルエンザに罹ったことがない。
・インフルエンザの予防接種も受けたことがない。
・2歳~8歳である。
慎重に考えて判断を
予防接種は子どもが嫌がって暴れたり、泣かれてしまうのがつらいもの。でも、鼻にシュッと吹きかけるだけの痛くない予防接種なら、連れていくママもかなり気が楽になりますよね。
フルミストが効くかどうかの判断は、今のところその病院の判断にゆだねられているのが実情のようです。ただ、日本では認可されていないワクチンであることは忘れずに、慎重に判断するようにしてくださいね。