鎮痛剤が効かないと感じたことがある人は多い
- 鎮痛剤が効かないときがある
- 決められた量より多く飲まないと効かない
- 鎮痛剤が手放せない
こうした鎮痛剤の効き目に悩まされた経験があるという人も多いのではないでしょうか。筆者も偏頭痛持ちな上に、生理痛も重いので「鎮痛剤が効かない!」と不満を抱いたことが何度もあります。
ある日、あまりに効果にムラがあるので「どうすれば鎮痛剤がよく効くのか」を調べてみました。飲み方にいくつか「なるほど!」と思えるポイントがあったので、実際に意識して服用するようにしてみたところ、鎮痛剤の効果に不満を抱くことがかなり少なくなったんです!
今回はそんな筆者の体験談を交えながら、しっかり鎮痛剤の効き目を得るための方法について見ていきましょう。
鎮痛剤はどんな痛みに効く?
頭痛・歯痛・生理痛・筋肉痛…ほとんどの痛みに効果あり
私たちが薬局で手に入れられる市販の鎮痛剤は、箱の横や添付文書にも記されているように、基本的に人が感じるほとんどの痛みに効果が期待できます。
頭痛・歯痛・生理痛といった、よく鎮痛剤を飲むきっかけになる痛みの他に、風邪による喉の痛み・コリによる肩や首周りの痛み・ケガによる痛みなど、意外な痛みも効果として記載されていることを知らない人もいるのではないでしょうか。
プロスタグランジンが原因の痛みに効く!
でもどうして違う部位なのに、1つの薬で痛みが治まるのか疑問に思いませんか?
その答えは、鎮痛剤の作用機序にあります。実は鎮痛剤は、痛んでいる場所の痛みを直接抑えているのではなく、痛みを増幅させている”プロスタグランジン”という局所ホルモンの分泌を抑える働きがあるからなんです。
ロキソニン・イブ・カロナールなど薬は違っても作用は基本的に変わらない
市販や処方の鎮痛剤には、たくさんの種類があります。有名なのはロキソニン・イブ・バファリン・カロナールなどですよね。
ただこうした薬は、効き目の強さや速さの違いはあるものの、作用は基本的に変わりません。どの薬も「プロスタグランジンの分泌を抑制する作用により痛みを抑える」と各社HPなどにも記載されています。
ロキソニンS
EVE a 錠
バファリンA
プロスタグランジンとは?
痛みを増幅させる作用を持つ局所ホルモン
プロスタグランジンは、先ほどもご紹介したように痛みを増幅させる作用を持つ局所ホルモンです。炎症が起こるとその刺激をきっかけに生成が促進されると考えられています。
頭痛が起こりやすい人だと、痛む前に「頭がもやもやする」「頭が重い」などという変化を感じるという人も多いのではないでしょうか。こうした症状がまさに、炎症が起こりプロスタグランジンの分泌がはじまった合図です。
もしこれまでそういう変化を感じたことや意識したことはないな…という人がいれば、この機会にぜひ意識して、感覚を掴んでみてください。前兆がわかるようになると、辛い痛みに悩まされる時間が大幅に減りますよ!
子宮を収縮させる働きも持つ
またプロスタグランジンには、子宮を収縮させる働きもあるとされています。プロスタグランジンが多量の分泌されることで、子宮の収縮が過剰になり、生理痛で強い下腹部痛を感じる原因になりうるようです。
鎮痛剤が効かないときにチェックしたい5項目
1.痛みはじめたら早めに飲んでいるか
先述したように、鎮痛剤には「痛みの原因を治す」「痛みの感覚を鈍らせる」といった治療効果は期待できません。痛みを増幅させるプロスタグランジンの分泌を抑制させる作用によって、痛みの緩和が期待できるのです。
つまり鎮痛剤の効果を最大限に得られるタイミングは、ずばり「痛みが本格化する前」ということになります。既に分泌してしまったプロスタグランジンを消失させる作用はないので、プロスタグランジンの分泌が本格化する前に飲むようにしましょう。
2.予防で飲んでいないか
痛みはじめたら早めに飲むことは大切ですが「そろそろ生理痛が起こる頃だから早めに飲んでおこう」「天気が悪くなってきて頭痛が起こりそうだから早めに飲んでおこう」という予防的な飲み方は、おすすめできません。
なぜならあまり早めに飲みすぎても、プロスタグランジンの分泌量が増えるタイミングと薬の効果が合わず「飲んだのに効かなかった」ということが起こる可能性があるからです。
またプロスタグランジンには子宮を収縮させる働きがあるため、分泌量を過度に抑えてしまうと、生理や生理痛が長引く原因にもなりかねません。
鎮痛剤は痛みを感じはじめてからでも十分間に合うということは、しっかり頭に置いておいてくださいね。
3.用量が守られているか
鎮痛剤は、1回に飲む量が決められています。市販薬の場合には、添付文書や箱の横に記載されていますし、処方薬の場合には、お医者さんや薬剤師さんから必ず説明があります。このとき指定された用量を守ることも、鎮痛剤の効き目を最大限に引き出すためには重要なことです。
例えば効かないからと1錠と決められているところを2錠飲んでしまうと、薬の耐性ができてしまい薬が効きにくくなってしまう可能性が指摘されています。
逆に妊娠中に鎮痛剤を処方されたものの、赤ちゃんへの影響が心配で指定された量より少なく飲んでしまうと、十分な効果が得られない可能性があります。
「指定されている用量じゃ効果が感じられない」「体への影響が心配」という場合には、まずお医者さんや薬局の薬剤師さんに相談するようにしましょう。
4.食後もしくは多量の水で飲んでいるか
鎮痛剤に限らず、薬を「薬が飲みこめる程度の水」で飲んでいる人も多いのではないかと思います。しかしこうした飲み方が、薬の効き目を十分に引き出せていない原因かもしれません。
一般的に服用されている鎮痛剤は、主に錠剤です。錠剤を溶かすためには、十分な水分が必要となりますし、水分を多めに摂取することで胃腸の働きを促すことができます。また溶かした薬を吸収してくれる腸まで流すためにも十分な水分が必要です。
つまり食後の場合には、胃の中の食べ物や分泌された胃酸などで十分溶かして運ぶことができますが、そうでない場合には意識して摂取しなければならない…ということになります。
5.月10日以上服用していないか
あまり鎮痛剤の効果が感じられない場合には、1ヵ月に何日くらい鎮痛剤を服用しているかチェックしてみるといいでしょう。特に頭痛で服用している場合、長期的な鎮痛剤の摂取により”薬物乱用頭痛”が起こっている可能性があります。
月に15日以上頭痛が起こっている場合には、鎮痛剤を飲むこと自体が頭痛の悪化に繋がっているかもしれないので、一度服用を中止してみるのも一つの手段です。
正しい飲み方でも鎮痛剤の効果が感じられない場合は病院へ
正しい飲み方をしていても痛みが治まらない場合には、根本原因部分の炎症による痛みが強い可能性や鎮痛剤が効かない病気である可能性が考えられるため、病院を受診するようにしましょう。
例えば脳梗塞や心筋梗塞で起こる頭痛や腹痛は、鎮痛剤の効果がほとんど得られないほどの強い痛みであることが多く、一刻も早い治療を受けないと生死に関わることがあります。
またひどい偏頭痛(片頭痛)になると、鎮痛剤では痛みが治まらず、偏頭痛の根本原因に作用する偏頭痛専門薬が必要になるケースもあるので、自分なりに工夫してみても鎮痛剤の効果があまり感じられないという場合には、お医者さんに相談することをおすすめします。
筆者も「ロキソニンでも効かないなんてもしかしてやばい病気…?」と不安になり、かかりつけ医に相談しましたが、特に異常は見当たらず「大きな病気ではないけど鎮痛剤が効かない」という状態に不安と苛立ちを覚えていた時期もあります。
それが少し飲み方を意識するようになっただけで、今じゃ「鎮痛剤を飲んで効かない率ほぼ0%」と言えるくらいにまでなりました!(たまに飲むタイミングが遅すぎて…ということがあるレベル)
とにかく痛みはじめたら早めに飲むということを心がけるだけでもかなり痛みと戦う時間が減るので、ぜひ試してみてくださいね!