指示が耳に入らない!
自閉症スペクトラムで自分の世界が強いタイプのうちの息子。話しかけてもまったく耳に入っていないことがしばしばあります。
「待ってて」が聞けないという記事でも書いた通り、指示が伝わらないのには必ず原因があるのですが、
1.聞こえていない
2.聞こえているけれど理解できない
3.聞こえていて理解できるけれどやりたくない
の中の「1.聞こえていない」が毎日何度も!
「今日保育園で何したの?」なんていう急ぎでない話なら「今は無駄だ」と後回しにしますが、出かける前の身支度やお風呂の準備、お風呂のあとの着替え、寝る前の片付けなどはあの手この手で指示方法を試行錯誤する日々です。
ちなみに、実際にペアレントトレーニングを受けると、「何回目で指示で通ったか」など、何かしらの記録を取りながら対策を試して効果を計ったりするのですが、この困りごとに対しては今のところ記録はとらずにとにかくできることをどんどんやっています。
対策1:視界に入る位置で体を触りながら指示
まずは一番単純な方法。
自分の世界に入っていてまったく気づかない場合でも、視界に何か違うものが入ったり、触覚の刺激があることで、声をかけられていることに気付くこともあります。
特に視覚優位、触覚優位の子などに有効かと思いますが、過敏すぎて嫌がることもあり得るので、様子を見ながら試してみてください。
さて、この方法。うちの息子には効くこともありましたが、集中しすぎていると両肩をつかんで目の前に顔を出しても「視界を遮断するものがきた。どけよう」と言わんばかりに、振り払われたりします。
「声をかけられている」と思っていないので、まったく悪気はないのですが…。
ここでカチンときて怒鳴っても、それすら耳に入らなかったり、耳に入っても「やりたいこと中断」でかんしゃくを起こしたり…と、なかなか厄介なので、そこは親の方も「急がば回れ」でぐっとこらえて、別の対策を試します。
(ついでに自分でこらえた自分を褒めます。個人的に「褒める子育て」には「自分を褒める」も不可欠!だと思っています。)
対策2:エサで釣る
最近の息子は「ピタゴラスイッチ」ブーム。
という具合に、好きな単語があると反応することもあります。
以前誕生日プレゼント獲得に向けて「がんばりシール」としてご褒美シールを集めていたときは、
なんていうエサですいすいやってくれることもありました。
こんな市販品もあるので、活用してみてもいいかもしれません。
対策3:運動会風BGMであおる
声では反応しなくても、音楽に反応することもあります。
「天国と地獄」「クシコスポスト」「ギャロップ」「トランペット吹きの休日」など、運動会で使うような音楽で、面白がってやる気になったりもします。
我が家では
と口三味線で歌ったり、
なんて具合にセンスのない即興替え歌でよく使っています。
歌い続けるのは結構ハードなので、長くがんばらせたいときにはCDに頼ります。
徒競走系の音楽が何曲か続いていると、少し長めにがんばらせるのに便利です。
対策4:実況中継であおる
いつもの口調で指示が通らないときは実況中継のアナウンサーになりきります。
お、早速電車のおもちゃを手に取りました。そして?そして?おーっとここで、おもちゃを……電車の箱に………入れたー!!入れました!!
さあ、まだ線路が残っている。線路はどこにしまうのか!お!●●くんはわかっている!箱を引っ張って…入れた!また入れました!!
こんな感じでやるべきことを促し、やれたことを褒めます。
演技力!大事です!!
効かないときはむなしいです!
でも効果があろうがなかろうが、自分を褒めます。「子どものために試行錯誤している私、よくがんばってる!」と。
対策5:聞えよがしに独り言
必ずしも「指示」の形で指示を出す必要はありません。
無視されることも多いですが、うまくはまると親子とも落ち着いてやるべきことをこなせるのが、「大きい独り言」です。しかも大げさなくらい聞えよがしに!
お母さん今から洗面所に行ってくるけど、戻ってきたら着る服選んでたらびっくりするけどな。
って!もう服選んだの?!ええ~!すごい!
二度見したりしてこれまた大げさに褒めます。こうして母は役者になっていく(笑)。
楽しみながら試行錯誤
イライラしても怒鳴っても疲れるだけなので、親の方もできるだけゲーム感覚で楽しもう!と思えてから、少し楽になりました。参考になれば幸いです。
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