子どもだけの留守番は心配
子どもがある程度大きくなってくると、子どもが参加できない会合や騒いではいけない場所へのおでかけなど、「子どもはお留守番」という選択肢があがってきます。
とはいえ、物騒な事件が多い昨今、子どもだけのお留守番は心配事が大きいのも事実です。そこでママと子ども、それぞれが安心してお留守番できる方法を私の経験をもとにお伝えしていきます。
いつからさせる?
短時間なら小学校低学年から
我が家の長男が初めてお留守番をしたのは、小学校2年生になってから。このタイミングとなったのは、周りにお留守番を経験する子が増えてきて、息子がチャレンジしてみようという気持ちになったことが最大の理由です。小学校の登下校で「子どもだけ」の時間を経験していること、身の回りのことが自分でできるようになったこと、物事の分別がある程度付いてきたこともあり、挑戦してみることにしました。
ほかのママの声を集めてみても大半は「小学校に入ってから」「小学校以上のきょうだいがいる」ことを目安にしていることが多いようです。
1時間を超える留守番は中~高学年以上
小学校中~高学年になってくると、子どもは親と一緒にいるよりも自分ひとりの時間や友達といる時間を選ぶことが増えてきます。学童保育は4年生までと決まっている地域もあるため、長時間のお留守番は「子どもが10歳を過ぎる頃」がよく聞かれるタイミングと言えそうです。
なかには未就学児で留守番できる子も
ほんの近場でのおでかけでは、小学校に上がる前からお留守番を経験している子もいます。そんなママたちにどうやってお留守番をしているのか聞いてみたところ、たいていが「動く場所、いる場所を決めている」ことが多いように思います。
多くのことに気を回すのが難しい年齢であれば「あれをやってはいけない、こういうときはこうしてね」とルールを決めすぎずに「これをしていてね」と限定してでかけるのもひとつの方法かもしれません。
どんなことに気を付ける?
1.鍵かけ
お出かけ前はお家の中の窓の鍵がきちんとしまっているか、しっかり確認します。できれば鍵を二重ロックして置くと安心です。
玄関のカギはママが出かけるときに外からロックするのはもちろんのこと、中からチェーン(U字ロック)をかけるように子どもに声掛けをしておきましょう。
2.鍵開け
ママが留守の間に子どもが帰ってくる場合は、「鍵開け」のときにも注意をしたいものです。鍵を取り出しやすい場所に付けておくのはよいのですが、キーチェーンや鍵の一部がみえるようになっているのはよくありません。見知らぬ人に「この子は鍵っ子だな」とよからぬ情報を与える可能性が高くなります。
鍵を開ける前には周りに見かけない人がいないか確認し、ドアを開けて中に入る時には、誰もいなくても「ただいま!」と言いながら入るようにすることで、「家の中に誰かいる」というアピールにつながります。
3.インターホン対応
ドアのチャイムやインターホンが鳴ったらどうするか。これは「留守を装う」と「在宅を告げる」の二つに意見が分かれるところです。インターホンを鳴らして留守かどうかを確認する空き巣もいるということから、判断は難しいところですが、我が家の場合は「留守を装う」派。
以前、不審者情報として流れてきた防災メールに、インターホンを鳴らし子どもが出ると「お菓子をあげるからちょっと出てきて」と声をかける人物がいるということがありました。こういった点を踏まえて「インターホンには出ない」ということにしたのです。
決めごとは
ということをルールにしています。電気やテレビはつけていてもかまいません。要は「家にいることは示してOKだけれど、インターホン越しの話はしない」ということ。
知っている人が来たら……という点に関しては、地域柄やご近所との付き合い度によって対応が異なってくるはずです。ご家庭に合わせて、ケースバイケースで「我が家の場合はどうするか」という点についてお子さんと一緒に話し合ってみてくださいね。
4.電話対応
子どもだけの留守番のときは、電話はすべて留守電につながる設定にして出かけます。基本的に「電話が鳴っても出ない」というのをルールにしました。ただし例外があります。それは親の携帯、祖父母の家からの電話です。
最近の電話機の多くは、かけてきた相手がわかるディスプレイがついています。電話の主が誰なのかわかるように、あらかじめ電話機に番号と名前を登録しておくと表示される仕組み。我が家の電話もこのタイプです。そこで登録した後に相手の名前がディスプレイにどのように表示されるか、子どもと一緒に確認しておきました。さらに念を入れて、受話器を上げるときは「留守電にメッセージを吹き込む話声を聞いてから」という取り決めにしているという話も聞きますよ。
5.危険な個所の除去
「お留守番」は子どもにとって不安なことがある反面、ワクワクドキドキの冒険探検的なイベントという側面も持ち合わせています。だからこそ、キッチンやパパママのお仕事スペースなど、危険物があったり重要なアイテムがあるところは要注意。「普段触らないから大丈夫」ではなく、リスクを考えて念には念を入れて備えましょう。
留守にする前の準備
1.ママやパパへの連絡手段を確認
困ったことがあった時は「ここに連絡してね」という先をわかりやすい場所にメモしておきます。我が家は電話にマスキングテープを貼り、直付けしています。そして電話機の扱い方もチェック。慌てたときでも電話をかけやすいよう外線ボタンにマジックで色を塗り「ここを押してから番号だよ」と操作方法を一緒に確認しました。
2.時間をつぶすためのアイテムをそろえる
普段遊んでばかりいる子どもでも、いざ遊び相手がいなくなってみると「何をしたらいいのかな?」と悩んでしまうようです。息子がこのパターン。あまり手を出しすぎてもいけないことは重々承知しつつ、留守番をうまく乗り切るためここは用意周到に臨みます。
まずはテレビ番組。あらかじめわかっているおでかけでは、好きそうな番組を多めに録画し留守番用として保存しておきます。見るのを我慢していれば、やっとみられる解放感で意気揚々! 番組の録画時間が目安となるため、時間をコントロールしやすいのもポイントです。なかには好きなビデオやDVDをつけっぱなしにして、みている間に用事を済ませてくるというママもいますよ。
男の子におすすめの立体おもちゃ
室内で楽しく過ごすアイテムとして、一人遊び用のおもちゃもあると便利です。ドミノや立体パズルなどトライ&エラーが生まれる遊びはヒートアップしてあっという間に時間が過ぎてしまいます。ただし、難しすぎると「もうやめた」となってしまうので要注意。
女の子におすすめの着せ替えシールブック
女の子なら着せ替えシールがおすすめ。いろいろなコーディネートを組み合わせているうちに、お留守番の時間も残りわずかに。
知育ドリルは万能選手
急な留守番をお願いするときはネットで見つけたドリルが役立ちます。テレビやゲームばっかりやっていては困るな…というときは、迷路やクロスワードなど少し頭を使う遊びを取り入れるとお留守番も充実した時間になりますよ。おすすめは幼児から中学生までのドリルがそろったサイト「ちびむすドリル」。ドリルだけではなく、かるたやすごろくなどの遊びも充実していて、一家だんらんにも活用したいサイトです。
▶ちびむすドリル
3.様子見の連絡隊を手配
はじめての留守番をさせる時、周りのママたちがアドバイスしてくれたのがこの方法です。留守番をしている間、パパやジジババから様子見の連絡を入れてもらうとそれだけで留守番の間の暇つぶしになるのだとか。
「ひとりではない」という安心感も得られ、その後の自信にもつながるようです。遠方や仕事で来られないけれど、電話を掛けることならできるという人のあてがあれば、サポートをお願いしてみてもいいかもしれません。
4.ティッシュなどの必要なものがあるかチェック
我が家の息子、初めての留守番の前に緊張したのか、そろそろ家を空けようかと玄関を出る準備をしていた時にトイレに駆け込みました。そして声を上げたのです。
「お母さん!紙がない!!」
いつもなら棚にストックしているはずのトイレットペーパーも、補充を怠ってちょうど切らしていたときでした。あやうく、トイレに軟禁状態になるところ。はじめてのお留守番でこんなことが起きた日には、軽くパニックになるだろうなと、私がいる間でよかったと胸をなでおろしたものです。
案外見落としがちですが、トイレットペーパー、飲み物、タオル類など日常的に使うだろうなというものは手の届くところに置いてあるか確認しておくと安心です。
5.ママの帰宅時間の確認
何時に帰ってくるかわからないと、少しの時間がとてつもなく長く感じるものです。「何時頃までに帰ってくるよ」と目安時間をお互いに共有しておくことで、ストレスを減らすことができますよ。また、時間を共有しておくことで万が一外で何かあった場合、パパに連絡を入れたり近所の人に相談したりといった次の一手が打てるようになります。
6.普段からのご近所さんとコミュニケーションも大切
いざというときに、助けてくれるご近所さんがいるととても心強いものです。ママ友でも、井戸端会議の先輩方でも普段から「ちょっと留守にするのだけど何かあったらお願いします」とひと声かけられる関係が築けているといいですね。
うちのお隣の小学生は、大きめの地震があった日や、小学校から不審者情報がメールで流れてきた日は我が家のインターホンを押します。「今日は来るだろうな」と予想がつくので、その日はいつもより気合を入れてお掃除しておくと、帰宅時間頃にピンポン。ママにはSNSで在宅を伝え、お仕事が終わったら迎えに来てもらいます。逆に土日ともなると、幼稚園生の娘が一緒に遊びながら面倒をみてもらっているという状態。ご近所さんとも持ちつ持たれつ依存せず、仲良くお付き合いしていきたいものです。
ただし、どうしても近くに頼ることができない場合はあると思います。そんなときは自治体の制度を活用する方法もあります。ご自身が住まわれている地域でどのようなサポートが受けられるか、調べておくといいかもしれません。
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7.室内の様子がわかるネットワークカメラもある
お留守番が定期的に必要になってきたり、長時間になったりするときはスマホで家の中の状況を確認できる「ネットワークカメラ」の活用を考えてみてはいかがでしょうか。
私はまだ利用したことがないのですが、気になっているのがCMでもおなじみのPanasonicの「おはなしカメラ」です。ホームユニットと無線LANを経由して、家に設置したカメラと最大8台まで接続可能なスマホやタブレットがつながるというもの。カメラのワンタッチボタンを押すとスマホにつながり話かけることもでき、意思の疎通が図れるのもうれしいところです。レビューもおおむね好評のよう。娘と息子の活動範囲がぐんと変わってきたら、購入を検討してみようと思います。
▶商品公式サイトおはなしカメラ KX-HC500-W | ホームネットワーク システム | Panasonic
子どもを信じて少しずつ慣らしていこう
お留守番のタイミング、それは親が「もう大丈夫かな」と思ったときと、子どもが「やってみる」と思えたときのタイミングが合ったときなのかなと思います。心配しすぎて「あそこに気を付けて」「あれはやらないでね」なんて言いすぎると、怖がってしまいなかなか一歩が踏み出せなくなってしまいますし、子どもの自信ややる気をそいでしまいます。対策をしたあとは子どもを信じて、まずは短い時間から慣らしていってはいかがでしょうか。帰ってみたらママが拍子抜けするほど「大丈夫だったよ」なんてシレっと言ってくるかもしれませんよ。
明るい笑顔で「行ってきます!」、「おかえり!」が言えますように。