子育て

子供の弱視は治るの?原因や検査、治療方法を紹介【弱視治療体験記1】

3歳半検診で家で行う視力検査ができなかった我が家の長男ですが、どこかで「早く視力が悪いのが見つかれば治療ができる」というのを小耳にはさんだことがあったため、「念のため受けておくか」と軽い気持ちで眼科を受診しました。

そこで色々検査をした後、診察室に呼ばれたらまさかの「弱視」が判明し、メガネ治療を開始することが決まりました。

「弱視ってそもそも何?」「治るものなの?」など、筆者が感じた素朴な疑問についてまとめました。

※なおこちらは筆者の子供の弱視治療の体験をもとに、筆者自身が調べたり医師から聞いたりした内容をまとめた記事です。お子さんの目の状態によってはこちらの記事の内容とは違う診断や治療方法がとられることもありますのでご注意ください。

子供が弱視と診断されたら


子供が弱視と診断されたとき、筆者の頭にあったのは「え?うそでしょ!目が見えないそぶりなんてなかったのに」でした。

「弱視」というと目がほとんど見えないのを想像しますよね。でも我が家の長男はそんなそぶりは全く感じませんでした。地面を歩いているアリだってすぐに見つけられたし、空を飛んでいる飛行機を探すのだってお手の物です。

それでも、眼科で検査をするとしっかり弱視の数値が出ているのです。最初は納得がいかず帰宅後にネット検索に明け暮れましたが、色々調べた結果「長男は確かに弱視なんだな」と納得できました。

こちらでは、そもそも弱視とはどんな目の状態なのか、弱視の基本について説明します。

弱視とは


弱視とは簡単に言うと、メガネやコンタクトレンズを使っても視力が上がらない状態を指します。

例えば近視でメガネやコンタクトを使用している大人だと、裸眼視力は0.01でもレンズを入れれば1.0や1.5と(矯正)視力が上がるのが普通です。このようにレンズを入れて矯正視力が1.0を超えるのであれば、裸眼視力がどんなに低くても弱視ではありません。

しかし、弱視の子供が検査をすると、裸眼視力もレンズを入れた矯正視力も0.01という結果が出るのです。一般的に矯正視力が1.0出ないと「弱視」と診断されることが多いようです。

弱視の原因

続いて弱視の原因を見ていきます。弱視の原因として多いのは、遠視や乱視による屈折異常と斜視が挙げられます。

遠視や乱視


就学時期までに発見される弱視の原因で最も多いのが「遠視と乱視による屈折異常」です。長男の弱視の原因もこれでした。

遠視というと「老眼」を想像したり、「近くは見えないけれど、遠くは見える」という知識を持っていたりする人が多くいます。しかし、遠視とは遠くが見えやすい目ではなく「近くにも遠くにもピントが合わない」目のことなのです。

もともと生まれたばかりの赤ちゃんは遠視なのですが、顔や眼球が大きくなるにつれて正常な視え方(正視)に近づいていきます。しかし何らかの原因で遠視が治らないまま成長してしまうと、網膜に鮮明な画像が映されないため、脳や神経細胞が正常に発達せず弱視になってしまうのです。

斜視など

左右の黒目が、内や外に偏っていることを「斜視」と言います。斜視があると両目を正しく使って物を視ることができづらいため、弱視につながります。

どんな検査を受けるの?

それではどのような検査をすると弱視かどうかがわかるのでしょうか。長男の場合は、眼科で3つの検査を行いました。

オートレフ検査


聞きなれない検査ですが、目が悪い人は「気球を見る検査」と言えば「あ!あれか」とピンと来るのではないでしょうか。メガネ屋や眼科で機械を覗いて中の気球を見るのがオートレフ検査です。

この検査では目の度数が数値で分かります。また、乱視や近視、遠視など目の状態や屈折異常も把握することができます。視力検査が上手にできない子どもでも、この機械を覗くことができれば目のおおよその状態を把握することができる便利な検査です。

この検査で遠視や乱視の度合いが強いことが分かると、弱視診断の大きな根拠となります(長男もこの検査が決め手でした)。

視力検査


いわゆる「C」の開いている位置をこたえる視力検査です。オートレフ検査で目の状態を把握し、視力検査で視力を調べます。

ちなみに、Cの開いている位置が答えられない子どもには、Cの形をしたハンドルを貸してくれそのハンドルを見えたCの形と合わせるという検査方法をとることもできます。

また、そちらも難しい子の場合は、Cではなく動物の影絵を使った視力検査もあります。

目薬を使った検査


長男の場合、上記検査の結果「弱視」の可能性が高いということで、後日目薬をさして瞳孔を開き再度オートレフ検査を行いました。子供の場合、強い遠視があっても目の「調節力」が強いため、無理やりピントを合わせて視力を出してしまっていることがあるためです。

そのため、目の筋肉の緊張を緩め調節力が働かない状態で、真の視力を測る検査を行うことがあります。

使う目薬の種類によっても異なりますが、長男の通っている眼科の場合、この目薬をさすと24時間程度まぶしかったり目が見えづらかったりすると言われました。よって次の日に何も予定がない日にするのがおすすめです。

弱視の治療方法は


弱視と診断されたら、まずは網膜にピントの合った鮮明な画像を映す必要があります。そのために、弱視矯正用のメガネをかけて治療を開始することになります。

弱視治療用のメガネをかける

上記の検査後、弱視の原因と程度が判明したら、医師から治療用メガネを作るための処方箋がもらえます。この処方箋をもってメガネ屋に行くと弱視治療用のメガネを作ることができます。

弱視の治療は、このメガネをなるべく多くの時間かけ続けることです。基本は寝ているときとお風呂に入っているとき、激しい運動をするとき以外はずっとつけていてくださいと、言われることが多いようです。

度数のあったメガネをかけることで、子供は今までのように無理やりピントを合わせて物を見る必要がなくなり、さらにピントの合った画像を脳に認識させることができるようになります。この状態を続けていくことで、脳や視神経の発達が促され視力の改善につながります。

アイパッチを使用する

アイパッチは、左右の視力に差がある場合に用いられる治療方法です。

例えば、右の視力が0.7、左の視力が0.1と左右差が大きい場合、良い方の目ばかりを使って物を見るようになってしまうため、視力が低い方の目はますます使わなくなり視力が落ちてしまいます。

そのため、あえて視力が良い方の目をアイパッチで見えなくすることで、視力が悪い方の目を意識的に使い視力の発達を促す治療方法です。

直接目にテープを張るタイプが効果が高いと言われていますが、子供が嫌がったり肌がかぶれてしまうことも多くあります。その場合はメガネにかぶせるタイプのアイパッチを使用して治療を行います。

子供の弱視は治るの?


子供が弱視と診断されて一番気になるのが、メガネ治療をして弱視が治るかどうかというところではないでしょうか。

一般的に子供の弱視は早く治療を始めれば始めるほど、改善の可能性が高いと言われています。

6~7歳くらいまでは改善の可能性が高い


生まれたての赤ちゃんはほとんど視力がありませんが、その後急速に視力の発達が進み、6~7歳を過ぎると停滞し始めます。そのため、大体3~4歳位で弱視が判明し治療を開始できれば、視力の成長期に治療期間が長く取れるため、視力の改善がかなりの確率で望めると言われています。

とはいえ、弱視治療はメガネをかけてすぐに結果が出るわけではないため、焦らず根気良く続けていくことが大切です。

10歳まではあきらめないで


視力の成長期である3~4歳で弱視が発見されず、小学校入学前の就学時健診で弱視が判明するケースも多くあります。この場合は急いで治療を開始することが最も大切です。

一般的には6~7歳くらいで視力発達が停滞し始めますが、個人差もあるため10歳くらいまでは視力が回復したというケースも珍しくありません。

メガネを取ることがゴールではない

ここまで弱視が改善する可能性が高いと説明してきましたが、「弱視が改善する=メガネが外れる(裸眼視力が上がる)」というわけではありません。

弱視治療は、「矯正視力で1.0(もしくは免許が取得できる0.7)」を目標にしています。これは弱視の原因としてあげられる遠視や乱視の屈折異常自体が成長とともに改善するわけではないからです。そのためメガネをかけての矯正視力があがっても、それを維持するためずっとメガネをかけ続ける子も多くいます。

もちろん、人間の目は成長とともに遠視から近視に変化していくことが多いため、成長により近視が進めば結果として遠視が軽くなりメガネなしでも生活できるようになることはあります。

眼科での検査が大切


3歳児健診での視力検査はもちろん大切ですが、「視力検査をパスした=弱視ではない」という証明にはなりません。就学時健診で弱視が判明する子の多くは、「3歳児健診のときはちゃんと見えていたのに」というパターンが多いようです。

そのため、適切な時期に弱視治療を開始するためにも、4歳くらいになったら一度眼科で視力検査をすることをおすすめします。