子育て

赤ちゃんが水腎症と診断されたら?入院や手術について体験記

我が家の次男は「水腎症」という先天性の病気で生後10ヶ月と11ヶ月にあわせて2回手術を行いました。

水腎症はそれほど珍しい疾患ではなく、赤ちゃんがまだお腹の中にいる時に水腎症を指摘されたママもいれば、生まれてしばらくしてから赤ちゃんの水腎症がわかったママもいるでしょう。

いきなり医師から「あなたの赤ちゃんは水腎症です」と言われて、びっくりしてとても心配になってしまったママもいるかもしれませんね。

この記事では、胎児や赤ちゃんが水腎症と診断され、どんな病気なのか、どんな治療方法があるのか、手術をする必要があるか、手術する場合の入院期間はどれくらいかなど、悩んでいるママに向け、我が家の体験談を紹介します。

※記事の内容は、筆者の子どもが水腎症と診断されたときの治療方法や入院期間になります。お子さんの状態や医師の判断により治療内容や入院期間が異なることをご了承ください。

水腎症ってどんな病気?

TawnyNina / Pixabay

水腎症とは腎臓から膀胱をつなぐ尿管の一部に狭窄があり、腎臓の腎盂という部分が拡張している状態をいいます。水腎症とだけ言われる場合は、腎臓と尿管の境目部分に狭窄があることが多く、赤ちゃんの場合先天的な奇形であることがほとんどです。

腎臓の大切な働きの一つに尿を作ることがあります。尿は腎臓から尿管を通り膀胱に一時的に溜まり、その後おしっことして体外に排出されます。しかし、尿管の一部に狭窄があることで尿の流れが悪くなり、尿管や腎臓が拡張してしまうことがあります。

上記のように尿管上部(腎臓との境目)に狭窄がある場合は、腎盂のみが拡張するため水腎症と呼ばれますが、尿管の下部(尿管の途中や膀胱との境目)に狭窄がある場合は、狭窄部分より上部の尿管も拡張するため「水腎水尿管症」や「巨大尿管」などと呼ばれます。

水腎症がわかったきっかけ

はじまりは尿路感染

我が家の次男は生後3ヶ月の時に38度の発熱がありました。通常、生後半年くらいまでは母親の免疫が残っているため、赤ちゃんは滅多に発熱しません。そのためすぐに小児科で血液検査と尿検査を行ったところ「尿路感染症」という病気にかかっていることが判明しました。

尿路感染症とは何らかの原因で腎臓(腎盂)に細菌感染が起こり高熱が出る病気です。抗生剤の投与をすることで治癒しますが、尿路感染症に気が付かずに長期間放っておいたり、何度も繰り返してしまうと腎臓にダメージを与えてしまうこともあるため注意が必要です。

この尿路感染症の原因の一つに「水腎症」が挙げられます。次男の場合は、治療後に尿路感染症を起こした原因を探るために腹部エコー検査と膀胱造影検査を行いました。その検査の結果、エコーで腎臓に尿がたまり腎盂が拡張している所見が認められたため、水腎症と診断されました。

次男が尿路感染症にかかった時の様子や入院治療については下記記事をご覧ください。

突然の発熱で子どもがぐったり…。病院に行くと「尿路感染症」と診断されてびっくり。どんな病気なのか、原因、治療法、入院期間、検査方法など、尿路感染にかかった我が家の子どもたちの体験記です。

胎児の時にエコーでわかることも

水腎症が発見されるきっかけは、次男のように尿路感染症を起こすことの他に、腎臓や尿官の拡張が進みそれがお腹のしこりとして外部から触れられるようになったり、あるいは腹部の痛みを訴えたりすることが挙げられます。

その他、現代では妊娠中のエコー検査の技術が飛躍的に向上したことにより、妊婦検診のエコー検査で胎児の水腎症がわかることも珍しくはありません。赤ちゃんがお腹の中にいる時に水腎症が見つかった場合は、念のため個人の産院から総合病院に転院することも多いようです。

ちなみに次男の場合は、お腹の中にいたころに水腎症の指摘を受けたことはありませんでした。

水腎症の治療方法は?

軽度であれば経過観察

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水腎症はその重症度により、1度~4度の区分で分けられています。1度~2度の軽度の水腎症の場合は、赤ちゃんが成長していくにつれ自然に治ることがほとんどのため、特に治療はせずに定期的な経過観察を行います。軽度の場合はほぼ症状が出ないで終わることが多いようです。

しかし、重度の水腎症の場合は、しばらく経過観察をした後に回復しない可能性が高いと判断されると、手術を行います。手術するかどうかは、子どもの年齢や腎臓機能の状態、回復の可能性、痛みや尿路感染症の既往などを総合的に判断してから決められます。

子どもの状態によっては手術に踏み切るかどうか迷う場合も多いため、不安がある場合は主治医としっかり相談して後悔しない選択をしましょう。

検査内容

手術するかしないかの治療方針を決めるためには、主に2つの検査を行います。

一つ目の検査は上述した、腹部エコー検査で、腎盂の拡張の状態を把握するために行います。水腎症の程度を表す1度~4度の数値は、このエコー検査で見える腎盂の拡張具合で区分されます。

痛みや放射線被ばくの心配がない検査のため、経過観察のお子さんを含め、治癒するまで定期的に行う検査です。

二つ目の検査は、利尿レノグラム(アイソトープ)と呼ばれる検査です。次男が通っていた病院では「腎シンチグラム(腎シンチ)」とも呼ばれていました。

利尿レノグラムは、中~重度の水腎症の子供に対して、腎臓機能の状態や尿の流れの具合を調べるために行います。検査の方法は点滴でRIという特殊な放射性物質を体内に注入し、その物質が腎臓に集まるまで3時間程度放置します(自由行動OK、食事制限なし)。3時間たつと特殊なカメラでRIがどの程度腎臓に付着しているか、どのように尿路を通って排出されていくかを30~40分程度観察します。

子供の水腎症の場合、エコーでの所見が重度であっても腎機能は正常に保たれていることが多くあります。しかしエコーだけでは腎機能の状態までを判断できないため、4度の水腎症や、2~3度の水腎症でも尿路感染を起こしたことがある子は利尿レノグラムを行い腎機能の検査を行う必要があります。

利尿レノグラムで健康な腎臓と水腎症の腎臓で明らかな差があったり、機能の低下がわかったりする場合は、手術に踏み切る理由の一つになります。

また、利尿レノグラムの検査の場合、RIという放射性物質を注入することから放射線被ばくを心配するママも多くいます。しかし、RIの放射線量は非常にわずかで、1回のレントゲン撮影よりも少ない被ばく量です。小児への安全性も確立されている検査方法ですが、心配な場合は医師からしっかり検査の説明を受け、納得してから検査を受けるようにしてくださいね。

手術~1回目~

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水腎症の手術は「腎盂形成術」と呼ばれます。次男は左側の腎臓が水腎症だったため、水腎症付近の腹部を5センチ程度切開しました。その後腎臓と尿管のつなぎ目にある狭窄箇所を切除し、正常な太さの尿管と腎臓を再度つなぎ合わせるという手術内容を行いました。

そして、術後はどうしても患部(尿管)が浮腫みやすく尿の通りが悪くなってしまうため、尿の通り道を確保するためにこのカテーテルを留置します。赤ちゃんの場合、留置されたカテーテルは術後1カ月後に再度全身麻酔をかけて取り出すことが多いようです。

上記以外の手術の方法もあるため、実際の手術内容は主治医からよく説明を受けてくださいね。

手術時間:麻酔処理も含め5時間程度(予定時間は3~4時間と言われていましたが、2回目の手術につながる別の狭窄が見つかったため予定よりも長くなりました)

手術~2回目~

通常は上記の腎盂形成術を行えば水腎症の手術は完了です。しかし、まれに次男のように2回手術を行う子もいます。

次男の場合、1回目の手術の際に尿道からカテーテルを腎臓に向かって通すと、膀胱と尿管のつなぎ目付近にもう1ヶ所狭窄があることが判明しました。そのため、術後1ヶ月半後に、2回目の手術を行っています。

2回目の手術は、膀胱をぱかっと開けてから膀胱と尿管付近の狭窄部分を切り、中から吻合するという内容でした。膀胱の中からアプローチするため傷跡は大きくなるけれど、その分しっかり縫合できるそうです。医師からは膀胱の外から縫合する方法もあると説明を受けましたが、次男の場合前手術の影響で尿管が浮腫んでいることが予想されるため、縫合が甘くなってしまいがちな外からのアプローチは勧められませんでした。外からアプローチする方が傷跡は小さいようです。

手術時間:3~4時間(予定通り終了)

手術する時の入院期間はどれくらい?

4日~1週間程度

1回目の手術も2回目の手術も入院期間は4日~1週間程度と説明を受けました(土日を挟むと日数が変動します)。

術後は手術の傷跡が開かないよう、下半身を中心に固定されて動けない状態にされてしまいます。次男は1歳未満で手術をしたので、ひたすら固定されていましたが、年齢が上がるにつれて自我が出てくるため、気をそらすためのおもちゃなどを持ち込むことが必要になると思います。

術後の通院は?傷跡はどのくらい?

術後1年は3カ月に1回、その後は段々間隔があいていく…

術後の通院回数は、1ヶ月後→3ヶ月後→3ヶ月後→約半年後(術後1年)というように、段々間隔があいていきました。

術後の診察では、尿検査と腹部エコー検査で水腎症の改善具合を毎回確認しています。

術後1年で大分目立たないように…

手術直後は傷跡がピンク色でかなり目立っていましたが、術後1年でかなり目立たなくなってきました。1回目の手術跡は白い線が1本入った感じ、2回目の手術跡はシワのような感じで一見わかりません。

傷跡のケアは特に何もしておらず、セロファンのようなものが傷跡に貼られている状態で手術室からは出てきました。抜糸もなくそのセロファンが自然に剥がれたらそれで終わりのようです。

医学の進歩はすごいですね(手術箇所や内容によって異なります)。

治療方針は主治医としっかり話し合いましょう

次男の水腎症が発覚した時は、筆者も「どんな病気なの?」「治る病気なの?」ととても不安になりました。しかし、水腎症は定期的な通院などママの負担もありますが、しっかり治療していけば良くなる疾患です。心配なことや疑問点は都度医師としっかり話し合って不安を解消してくださいね。

次男は尿路感染を再度おこすこともなく、元気いっぱいです!

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